―福永さんはこれまで京都市以外にも他の自治体や観光協会を多く見てこられたと思いますが、京都市観光協会の特徴はありますでしょうか。
福永 京都市観光協会は、自治体も事業者もできないことをやっているなと思っています。例えば、京都市観光協会が毎月発行している宿泊統計(データ月報)。自治体が行う調査だと、結果が出るのは大抵一年後ですが、京都市観光協会は翌月末に、しかも毎月出しているので、事業者の皆さんの経営にも役立てられていると思います。
また、中に入ってみて知ったのは、職員にたくさんのプロフェッショナルがいること。マーケッターもいれば、旅行会社出身の人も、WEBやプロモーションに特化した人もいて、個々の専門が業務に活かされている。
こういったメンバーで構成しているということをもっと京都市内の事業者さんに知っていただいてもいいんじゃないかなと思います。
清水 とにかく広くいろんなことをやっていますよね。民間が商売ベースではできないけれど、誰かがやらないといけない重要なことも担っている、しかし表面には出てこない…。いずれはマーケティングやプロモーションの部分のみに専念できるといいのかなとは思いますが、幅広い仕事量、その縁の下の力持ちとしての存在は誇らしいと思います。
―実際にものすごく色んなことをしているのですが、「京都市観光協会は何をやっているのかわからない」と言われることはよくあります。今後はこのレポートでもっとご紹介していければと思っています。
福永 はい、ぜひ!インバウンドカフェなど交流の場では、事業者の皆さんにとってのインプットや事業者同士の交流機会を提供するとともに、観光協会職員との接点にもなるといいなと思っています。
こうした事業を繰り返すことによって、京都市観光協会が「地域のコンサルタント」としての独自の立場を作っていくこともありえるのではないかと思います。それこそ一事業者にも、自治体にもできない、観光協会にしかできないことだと思います。
―多くの事業者のみなさまに「なにかあったら京都市観光協会に相談しよう」と思ってもらえるように頑張ろうと思います。