京都市観光協会データ月報（2023年10月）

稼働率は82.9％となり、コロナ禍前である2019年同月とほぼ同水準となった

京都市内主要ホテル110施設における2023年10月の客室稼働率は82.9%となり、コロナ禍以降での最高値であった前年11月の稼働率80.2％を超えた。前月（9月）の75.8％からは7.1ポイント増、前年同月の63.7％からは19.2ポイント増となった。コロナ禍前である2019年同月の86.1％からは3.2ポイント減まで回復した。

日本人延べ宿泊数の2019年同月比は7か月ぶりに増加に転じた

調査対象施設における日本人延べ宿泊数は385,730泊となり、前月（9月）の352,773泊から9.3％増となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は26.6％減、2019年同月比は49.2％増となった。
コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ（46施設）で比較すると、前年同月比は25.0％減、2019年同月比は0.6％増となった。2019年同月比がプラスになるのは7か月ぶりである。2019年当時は、台風や消費税増税、ラグビーワールドカップの開催で外国人観光客による早期の客室の確保が進んでいたことで宿泊予約がしづらく、日本人宿泊数が減少していたことが要因として考えられる。

外国人比率は56.5％となり、２か月連続で2019年当時を上回った

調査対象施設における外国人延べ宿泊数は500,392泊となり、前月（9月）の379,618泊から31.8％増となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、2019年同月比は55.1％増となった。
コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ（46施設）で比較すると、2019年同月比は1.4％減となった。2か月連続でコロナ禍前と同水準にまで回復した。
総延べ宿泊者数に占める外国人比率は56.5％となり、前月の51.8%から上昇した。2019年同月の55.5％からは1.0ポイント増となり、2か月連続で2019年を上回った。また、10月としては2014年の統計開始以降最も高い水準となった。

国・地域別構成比では、4か月ぶりにアメリカが中国を抜いて1位となった

外国人延べ宿泊数を国・地域別構成比でみると、アメリカが19.0％（2019年同月14.4％）と最も多く、次いで中国が13.9％（同24.7％）、台湾が9.1％（同5.1％）と続いた。4か月ぶりにアメリカが中国を抜いて1位となった。なお、中国人宿泊客の2019年同月比は41.0％減となり、前月の41.4％減と同水準であった。今回の集計期間には中秋節・国慶節（9月29日～10月6日）があったが、航空定期便や観光ビザの発給要件がコロナ禍以前のように戻っていないため、中国人観光客需要に目立った変化は見られなかった。

平均客室単価は2019年の水準を上回っているが、円安の影響でドル換算すると2019年を下回っている

平均客室単価は20,329円となり、前年同月の14,782円からは37.5%増、2019年同月の16,739円からは21.4%増となった。2019年同月を上回るのは、これで11か月連続である。客室収益指数（平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で、１室あたりの売上高に相当する）は16,853円となり、前年同月の9,416円から79.0％増、2019年同月の14,412円からは16.9％増となった。
なお、平均客室単価を米国ドル建てで換算した場合、2019年同月比は12.4%減となっており、依然として2019年を下回る状況が続いている。

客室稼働率は72.7％となり、2か月連続で2019年当時の水準を上回った

市内主要旅館27施設における10月の稼働率は72.7%となり、前月（9月）の68.8％から3.9ポイント増、前年同月の60.0％から12.7ポイント増、コロナ禍前である2019年同月の70.0％から2.7ポイント増となった。2019年同月を上回るのは2か月連続である。また、外国人宿泊数が2019年同月を上回るのは3か月連続である。

「行こう指数」は、2019年当時の水準を上回る状況が続いている

日本人による京都観光への訪問意向「行こう指数」の2023年10月の値は146.0（2019年の平均値を100とした場合）となり、2019年当時の水準を上回る状況が続いている。前年同月と比較すると宿泊者数は減少したものの、「行こう指数」は同水準であった。

京都市内における宿泊施設の施設数は前年同月比2.7％減、客室数は前年同月比2.9％減となった

2023年10月末時点での京都市内における営業許可を受けた宿泊施設の施設数は、前月から16軒開業、15軒廃業、差し引き1軒増加して、3,415軒となり、前年同月の3,508軒からは2.7％の減少となった。総客室数（推計）は57,816室となり、前年同月の59,539室から2.9％の減少となった。

日帰り客を含めた市内の日本人来街者指数は、2019年当時を上回った

2023年10月の来街者指数は101.7（2019年の平均値を100とした場合）となり、コロナ禍前である2019年同月（95.1）を6.6ポイント上回った。

市内4百貨店の免税売上額は約30.4億円となり、統計開始以降最高額となった

2023年10月の市内4百貨店における免税売上額は約30.4億円と前月（9月）の23.8億円から増加した。コロナ禍前である2019年10月（13.5億円）からは円安の影響もあり124.7％増となっており、統計開始以降最高額となった。免税売上額に占める中国人の割合は50.5％となった。

観光案内所の来所者数は、2019年当時の水準まで至っていない

2023年10月の来所者数は前月（9月）から9.3％増となった。2019年同月比では32.9%減に留まっており、客室稼働率等と比べると回復していない。外国人比率は53.3％となり、2019年同月の51.9％から1.4ポイント増加した。