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調査結果のポイント
55.2 %
稼働率は前年同月を上回るも、中国本土からの宿泊需要が回復せず、2019年同月の稼働率には満たなかった
京都市内主要ホテル115施設における2023年1月の客室稼働率は55.2%となった。前月(12月)の73.4%からは18.2ポイント減、前年同月の32.3%からは22.9ポイント増となった。入国制限緩和と「全国旅行支援」の下支えもあり、前年同月からは大幅に回復したものの、コロナ禍前である2019年同月の65.6%からは10.4ポイント減となった。例年、春節の影響で中華圏からの旅行者が増加する時期ではあるが、日中両国間での入国規制が強化されているため、中国本土からの宿泊需要が回復しなかったことが要因の一つであると考えられる。
-2.3 %
2.30% (2019年同月比)
日本人延べ宿泊数の2019年同月比は、コロナ禍前からの対象施設のみで比較すると2.3%減
日本人延べ宿泊数は378,325泊となり、前月(12月)の584,348泊から35.3%減となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は31.8%増、2019年同月比は58.1%増となった。コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(50施設)で比較すると、前年同月比は31.4%増、2019年同月比は2.3%減となった。自粛要請の反動として生じていたリベンジ消費需要が一定満たされた事や、物価高などによる消費控えも影響していると考えられる。
30.8 %
6.1pts (前月差)
外国人延べ宿泊数は堅調に回復しており、外国人比率は30%を超え、コロナ禍での最高値を更新し続けている
外国人延べ宿泊数は168,110泊となり、前月(12月)の191,817泊から12.4%減となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は15480.2%増、2019年同月比は15.1%減となった。コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(50施設)で比較すると、前年同月比は14500.5%増、2019年同月比は45.4%減となり、前月(12月)の2019年同月比44.7%減と比較して同水準の回復となった。
総延べ宿泊者数における外国人比率は30.8%と、前月(12月)の24.7%から6.1ポイント増加、2019年同月の45.3%からは14.5ポイント減少となった。外国人比率が30%を上回るのは、2020年1月に49.6%となって以来3年ぶりである。
台湾・韓国・香港等の東アジアの宿泊者の割合が50%を超え、アメリカの構成比順位が下がった
外国人延べ宿泊数の国・地域別構成比でみると、台湾が21.6%と最も多くなり、次いで韓国が14.3%と東アジアの割合が高くなった。コロナ禍で長らく1位であったアメリカが13.7%と3位になった。2019年同月比では、香港が83.5%増と大きく伸長した。コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(50施設)で比較した場合の2019年同月比も39.8%増となっている。春節の影響で中国本土以外の中華圏からの観光客が増えたと考えられる。
7,929 円
4.90% (2019年同月比)
平均客室単価は2か月連続で2019年比が増加したが、客室収益指数は2019年比で減少となった
平均客室単価は14,365円となり、前年同月の12,064円からは19.1%増、2019年同月の12,712円からは13.0%増となった。客室収益指数(平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で、1室あたりの売上高に相当する)は7,929円となり、前年同月の3,897円から103.5%増、2019年同月の8,339円からは4.9%減となった。平均客室単価は2か月連続で2019年同月比が増加した。平均客室単価を米国ドル建てで換算しても2019年同月比で5.7%減まで回復した。円安に歯止めがかかる動きがあったことに加えて、宿泊需要の高まりに応じた価格設定や、人件費・原材料費高騰などに対応した価格設定をとる施設が増えたものと考えられる。ただし、稼働率が低い水準にとどまったことで、客室収益指数の2019年同月比は減少した。
39.1 %
3.1pts (2019年同月差)
1月の旅館の客室稼働率は39.1%となり、コロナ禍前2019年と同水準となるも、延べ宿泊数は減少している
市内主要旅館25施設における1月の稼働率は39.1%となり、前月(12月)の67.3%から28.2ポイント減、前年同月の18.8%から20.3ポイント増、コロナ禍前である2019年同月の42.2%から3.1ポイント減となった。元々1月は閑散期であるため、客室稼働率は例年通りの水準だったが、延べ宿泊数は2019年同月比で35.1%減に留まった。コロナ禍の影響で、修学旅行以外の団体旅行(社員旅行など)の催行が減少しており、1月は1部屋あたりの宿泊客数が少ない個人旅行による利用が増えたため、このような結果となったと考えられる。
なお、外国人比率は24.6%と前月12月の9.1%を大幅に上回った。日本人延べ宿泊数が前月から減少した一方で、外国人延べ宿泊数は前月から増加しており、インバウンド市場は堅調に回復しつつあるといえる。
95.8
3.4pts (前年同月差)
「行こう指数」は、前月から減少し、1月としては例年通りの水準となった
日本人による京都観光への訪問意向「行こう指数」の2023年1月の値は95.8(2019年の平均値を100とした場合)となり、前月(12月)の102.7からは6.9ポイント減、前年同月の92.4と同水準となった。例年通り、紅葉シーズン終了後は京都にとっては閑散期であるため、検索量が減少したものとみられる。
56,717 室
3.10% (前年同月比)
京都市内における宿泊施設の施設数は前年同月比4.2%減、客室数は前年同月比3.1%減となった
2023年1月末時点での京都市内における営業許可を受けた宿泊施設の施設数は、9軒開業、26軒廃業、差し引き17軒減少して、3,461軒となり、前年同月の3,611軒からは4.2%の減少となった。総客室数(推計)は56,717室となり、前年同月の58,556室から3.1%の減少となった。
103.1
31.2pts (前年同月差)
日帰り客を含めた市内の日本人来街者指数は、2019年同月を5か月連続で上回っている
2023年1月の来街者指数は103.1(2019年の平均値を100とした場合)となり、前年同月の71.9を31.2ポイント上回った。コロナ禍前である2019年同月を5か月連続で上回っている。
+18.1 %
9.90% (2019年同月比)
市内4百貨店の総売上額は前年同月比18.1%増となったが、2019年同月から9.9%減となった
2023年1月の市内4百貨店の総売上額は178億円を超え、前年同月比18.1%増となったが、コロナ禍前である2019年同月比では9.9%減となった。また免税売上額の前年同月比は698.6%増となったが、2019年同月比では19.4%減となった。
-31.5 %
55.10% (2019年同月比)
観光案内所の相談者数は前月(12月)から31.5%減となった
2023年1月の相談者数は前月(12月)から31.5%減、2019年同月比は55.1%減となった。外国人相談者数の2019年同月比は62.3%減となり、コロナ禍前の水準には至っていない。
3月から4月にかけては、桜の開花やイースター休暇の影響で、2019年当時に匹敵する高稼働となる見込み
1月時点の今後の客室稼働率の予測値は、2月59.9%、3月82.8%、4月95.1%となった。コロナ禍前の同時期の稼働率(実績)が、2019年2月78.5%、2019年3月85.0%、2019年4月89.9%であったことを踏まえると、3月から4月にかけては2019年当時に匹敵する高稼働となる見込みである。
10月に入国制限緩和されてから旅行の計画・手続きを開始した訪日客の需要が、この春に集中すると思われる。Googleによると、訪日旅行に関する潜在需要(航空および宿泊需要の検索動向の指数)は、1月時点で77.4となっており、コロナ禍前の2019年同月を大幅に上回り、需要指数は高水準で推移している。
一部の調査対象施設から回答を得た1月末時点での予約率では、特に、3/24(金)~4/11(火)の予約率が高くなっている。桜の開花時期であることに加え、欧米系の観光客の旅行需要が高まるイースター休暇でもあることで、約20日間に渡って繁忙期が続くことが期待できる。外国人観光客の回復により、休前日以外の平日の稼働率も高くなる見込みであり、一部施設では人手不足が課題となっているなか、勤務シフトの調整など受入体制の確保はより難しくなると懸念される。
参考)新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言等の期間(京都・東京)
出所)京都市HP、東京都HP、GoToトラベルHP、きょうと魅力再発見旅プロジェクトHP、ただいま東京プラスHP等を参考に京都市観光協会で作成
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調査仕様
全体概要
京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。
なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義しています。
※過去の調査結果はこちらからご覧ください。
調査対象
2023年1月時点 | ホテル | 旅館 | ||
施設数 | 客室数 | 施設数 | 客室数 | |
調査対象 | 115 | 19,283 | 25 | 618 |
市内全体 | 290 | 35,331 | 367 | 5,311 |
カバー率 | 39.7% | 54.6% | 6.8% | 11.6% |
- 平成30年の旅館業法改正にともないホテル・旅館の区分が廃止されたため、市内全体におけるホテルの施設数および客室数は、区分が廃止される直前までの旅館の数値に変動が無いものと仮定して算出している。
- 前年と本年では対象施設数が異なる場合があるため、今回発表する前年の数値は昨年の発表値と異なる。
- 客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記ホテル施設数とは対象が一部異なる。
用語説明
- 「販売可能客室数」・・・日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
例)100部屋を有する施設にて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
販売可能客室数:80室×30日=2,400室 - 「客室稼働率」・・・「販売可能客室数」における「稼働客室数」の割合
- 「外国人比率」・・・「総延べ人数」における「外国人延べ人数」の割合
- 「構成比」・・・「外国人延べ人数」における「各国・地域の延べ人数」の割合
- 「伸率」・・・「前年の各国・地域の延べ人数」に対する「本年の各国・地域の延べ人数」の伸率
新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う臨時的な休業の扱いについて
調査対象期間(2023年1月1日~1月31日)中、対象施設が臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出します。
例)100部屋を有する施設が、以下のように営業をしていた場合
➀ 1月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 1月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 1月21日~31日の期間(11日)は休業
販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率 :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%
(参考)調査対象ホテルにおける2023年1月(1月1日~1月31日)の臨時休業状況
臨時休業日数 | 全日休業 (31日間) | 20日以上~ 30日未満 | 10日以上~ 20日未満 | 10日未満 | 休業なし |
ホテル施設数 | 3
(2.6%) | 0
(0.0%) | 2
(1.7%) | 2
(1.7%) | 108
(93.9%) |
旅館施設数 | 1
(4.0%) | 0
(0.0%) | 3
(12.0%) | 6
(24.0%) | 15
(60.0%) |
参考 京都市における観光調査関係の資料一覧
京都市における観光調査関係の参考資料を一覧化しております。
人流データ、京都観光総合調査、経済全般に関するデータ、宿泊施設数など随時更新しております。
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- 京都市観光協会データ月報は、調査対象施設のみなさまのご協力、ならびに京都市観光協会会員および京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員からの会費をもとに運営しております。
- 本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。ただし、P16-17のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。
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- 京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となります。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主な宿泊施設を対象とする標本調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。
京都観光総合調査との関連について
京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。
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