京都市観光協会データ月報(2022年12月および年次速報)

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調査結果のポイント

73.4 %

京都市内主要ホテル115施設における2022年12月の客室稼働率は73.4%となった。前月(11月)の80.2%からは6.8ポイント減、前年同月の53.5%からは19.9ポイント増となった。入国規制の緩和や、「全国旅行支援」による下支え、年末年始休暇の影響が重なったことで、コロナ禍前2019年12月の76.1%に迫る水準にまで稼働が高まった。その差はわずか2.7ポイントであり、コロナ禍となってから2019年同月からの減少幅が最も小さくなった。

入国制限緩和と「全国旅行支援」に加え、年末年始休暇の影響で、稼働率はコロナ禍前と同水準に

34.8 %

34.80% (2019年同月比)

日本人延べ宿泊数の2019年同月比は、コロナ禍前からの対象施設のみで比較すると34.8%増

日本人延べ宿泊数は584,348泊となり、前月(11月)の653,643泊から10.6%減となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は15.0%増、2019年同月比は101.3%増となった。コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(57施設)で比較すると、前年同月比は12.4%増、2019年同月比は34.8%増となった。2019年同月は台風や消費税増税によって旅行需要が低下していたことも、2019年同月比が大きくなった要因の一つと考えられる。

24.7 %

6.4pts (前月差)

外国人延べ宿泊数は徐々に回復しており、外国人比率も24.7%とコロナ禍での最高値を更新し続けている

外国人延べ宿泊数は191,817泊となり、前月(11月)の146,282泊から31.1%増となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は8615.0%増、2019年同月比は18.5%減となった。コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(57施設)で比較すると、前年同月比は8254.8%増、2019年同月比は44.7%減となり、前月(11月)の2019年同月比64.7%減からさらに回復した。総延べ宿泊者数における外国人比率は24.7%と、前月(11月)の18.3%から6.4ポイント増加、2019年同月の44.8%からは20.1ポイント減少となった。

前月に引き続きアメリカの宿泊客が最も多いが、台湾、韓国、シンガポールからの入洛の回復も目立つ

外国人延べ宿泊数の国・地域別構成比でみると、アメリカが19.3%と最も多かった。次いで、台湾、韓国、シンガポールとなっており、これらの地域は入国規制緩和後の需要の回復が目立つ。 2019年同月比では、韓国が243.9%増と大きく伸長した。コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(57施設)で比較した場合の2019年同月比も126.4%増と、増加傾向は変わらなかった。これは、2019年夏ごろから日韓関係が悪化した影響からの反動によるものと考えられる。

12,020

14.20% (2019年同月比)

平均客室単価、客室収益指数ともに、コロナ禍で初めて2019年同月の水準を上回った

平均客室単価は16,376円となり、前年同月の13,162円からは24.4%増、2019年同月の13,825円からは18.5%増となった。客室収益指数(平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で、1室あたりの売上高に相当する)は12,020円となり、前年同月の7,042円から70.7%増、2019年同月の10,521円からは14.2%増となった。平均客室単価や客室収益指数が2019年同月の水準を上回るのは、コロナ禍以後では初めてである。平均客室単価を米国ドル建てで換算しても2019年同月比で4.4%減まで回復した。12月は円安に歯止めがかかる動きがあったことに加えて、宿泊需要の高まりに応じた価格設定や、人件費・原材料費高騰などに対応した価格設定をとる施設が増えたものと考えられる。

67.3 %

4.4pts (2019年同月差)

12月の旅館の客室稼働率は67.3%となり、コロナ禍で初めて2019年同月を超えた

市内主要旅館26施設における12月の稼働率は67.3%となり、前月(11月)の69.2%から1.9ポイント減、前年同月の47.7%から19.6ポイント増、コロナ禍前である2019年同月の62.9%から4.4ポイント増となった。修学旅行の催行が続いていることや、外国人の宿泊数も増加したことで稼働率が高まった。

102.7

0.3pts (前年同月差)

「行こう指数」は、前月から大幅に減少も、12月としては例年通りの水準となった

日本人による京都観光への訪問意向「行こう指数」の2022年12月の値は102.7(2019年の平均値を100とした場合)となり、前月(11月)の163.2からは60.5ポイント減、前年同月の102.4と同水準となった。例年通り、紅葉シーズン終了後は京都にとっては閑散期であり、ネット上の検索量が減少したものとみられる。

57,488

1.20% (前年同月比)

京都市内における宿泊施設の施設数は前年同月比4.1%減、客室数は前年同月比1.2%減となった

2022年12月末時点での京都市内における営業許可を受けた宿泊施設の施設数は、16軒開業、17軒廃業、差し引き1軒減少して、3,478軒となり、前年同月の3,625軒からは4.1%の減少となった。総客室数(推計)は57,488室となり、前年同月の58,172室から1.2%の減少となった。総客室数は、前月(11月)から2か月連続で前年同月から減少している。

104.1

16.1pts (前年同月差)

日帰り客を含めた市内の日本人来街者指数は、2019年同月を4か月連続で上回っている

2022年12月の来街者指数は104.1(2019年の平均値を100とした場合)となり、前年同月の88.0を16.1ポイント上回った。コロナ禍前である2019年同月を4か月連続で上回っている。

9.6

14.40% (2019年同月比)

市内4百貨店の総売上額は260億円を超え、前年同月比9.6%増となった

12月の市内4百貨店の総売上額は前年同月比9.6%増、コロナ禍前である2019年同月比では0.2%増とほぼ同水準になっている。免税売上額の前年同月比は1,020.4%増となったが、2019年同月比では14.4%減となった。

-23.1

37.20% (2019年同月比)

観光案内所の相談者数は前月(11月)から23.1%減となった

12月の相談者数は前月(11月)から23.1%減、2019年同月比は37.2%減であった。外国人相談者数の2019年同月比は53.3%減であり、コロナ禍前の水準には至っていない。

年明け以降の予測稼働率は低下するものの、潜在需要は高まっており、春頃の再回復には期待できる

12月時点の今後の客室稼働率の予測値は、1月47.0%、2月49.4%、3月73.5%となった。コロナ禍前の同時期の稼働率(実績)が、2019年1月65.6%、2019年2月78.5%、2019年3月85.0%であったことを踏まえると、依然としてコロナ禍前の水準には達しない見込みである。例年、春節の影響で中華圏からの旅行者が増加する時期ではあるが、日中両国間での入国規制が強化されているため、今年の春節における観光への影響は限定的なものに留まるとみられる。ただし、近距離からの旅行者は燃油サーチャージの高騰の影響を受けにくいため、春頃までは台湾や韓国など中国以外の東アジア市場が回復を牽引する状態が続くと思われる。
Googleによると、訪日旅行に関する潜在需要(航空および宿泊需要の検索動向の指数)は、12月時点で76.4となっており、コロナ禍前の2019年同月を大幅に上回り、需要指数は高水準で推移している。春に向けて、円安の後押しもあり欧米諸国を含む訪日市場のさらなる回復が期待され、現時点での3月、4月の宿泊予約サイトにおける平均販売価格も3万円~4万円で推移している。一方で、一部の宿泊施設からは人手不足によって稼働を抑えざるを得ないという声もあり、業界全体で受け入れ態勢を整える必要がある。

2022年 年次速報

ホテル統計

2022年客室稼働率は52.5%となり、前年の30.2%を22.3ポイント上回った

京都市内主要ホテルの2022年の客室稼働率は52.5%となり、前年の30.2%を22.3ポイント上回った。2022年は、当初は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で稼働率が低い状況にあったが、4月以降は行動制限が無くなり個々の判断で感染対策をしながら旅行する動きが増え、さらに10月から「全国旅行支援」や外国人観光客の入国制限が緩和された為、年末にかけてコロナ禍前の稼働率に近い水準にまで回復し、結果的に年間の稼働率は52.5%となった。

2022年平均客室単価・客室収益指数は前年から回復も、コロナ禍前2019年の水準には満たない

京都市内主要ホテルの2022年の平均客室単価は13,558円となり、前年の11,455円から上昇した。客室収益指数(平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で、1室あたりの売上高に相当する)は7,118円となり、前年の3,457円から上昇した。ただし、いずれもコロナ禍前の2019年の水準は下回っており、2022年も宿泊施設をはじめとした観光業界にとっては厳しい経営状況であったと言える。

旅館統計

京都市内主要旅館の2022年客室稼働率は47.5%となり、前年の24.1%を23.4ポイント上回った

京都市内主要旅館の2022年の客室稼働率は47.5%となり、前年の24.1%を23.4ポイント上回った。2022年は4月以降行動制限が無くなり、修学旅行が再開され、5月6月、9月~12月にかけて稼働率が高まった。ただし、修学旅行が予約された日以外は休業していた施設もあったことに留意が必要である。

参考)新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言等の期間(京都・東京)

出所)京都市HP、東京都HP、GoToトラベルHP、きょうと魅力再発見旅プロジェクトHP、ただいま東京プラスHP等を参考に京都市観光協会で作成

調査レポートのダウンロード/分析ダッシュボード

調査レポートの詳細な分析結果(PDF)のダウンロード、また各種データを自由に加工・分析していただける
分析ダッシュボードについては、以下からそれぞれお申込みください。

入力いただいた情報は、京都市観光協会において適切に管理し、当協会事業以外では使用いたしません。
※データを利用する際には、必ず出典と引用元URLの明記をお願いします。
※フォームへのリンクが開かない場合は、お手数ですが問い合わせフォームにご連絡ください。

調査仕様

全体概要

京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。

なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義しています。

※過去の調査結果はこちらからご覧ください。

調査対象

2022年12月時点ホテル旅館
施設数客室数施設数客室数
調査対象11519,25926679
市内全体30236,0743675,311
カバー率38.1%53.4%7.1%12.8%
  • 平成30年の旅館業法改正にともないホテル・旅館の区分が廃止されたため、市内全体におけるホテルの施設数および客室数は、区分が廃止される直前までの旅館の数値に変動が無いものと仮定して算出している。
  • 前年と本年では対象施設数が異なる場合があるため、今回発表する前年の数値は昨年の発表値と異なる。
  • 客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記ホテル施設数とは対象が一部異なる。

用語説明

  • 「販売可能客室数」・・・日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
    例)100部屋を有する施設にて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
    販売可能客室数:80室×30日=2,400室
  • 「客室稼働率」・・・「販売可能客室数」における「稼働客室数」の割合
  • 「外国人比率」・・・「総延べ人数」における「外国人延べ人数」の割合
  • 「構成比」・・・「外国人延べ人数」における「各国・地域の延べ人数」の割合
  • 「伸率」・・・「前年の各国・地域の延べ人数」に対する「本年の各国・地域の延べ人数」の伸率

新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う臨時的な休業の扱いについて

調査対象期間(2022年12月1日~12月31日)中、対象施設が臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出します
例)100部屋を有する施設が、以下のように営業をしていた場合

➀ 12月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 12月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 12月21日~31日の期間(11日)は休業

販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率 :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%

(参考)調査対象ホテルにおける2022年12月(12月1日~12月31日)の臨時休業状況

臨時休業日数全日休業
(31日間)
20日以上~
30日未満
10日以上~
20日未満
10日未満休業なし
ホテル施設数0

(0.0%)

0

(0.0%)

0

(0.0%)

2

(1.7%)

113

(97.3%)

旅館施設数1

(3.8%)

1

(3.8%)

1

(3.8%)

6

(23.1%)

17

(65.4%)

参考 京都市における観光調査関係の資料一覧

京都市における観光調査関係の参考資料を一覧化しております。
人流データ、京都観光総合調査、経済全般に関するデータ、宿泊施設数など随時更新しております。

以下からご確認ください。

京都市における観光調査関係の資料一覧

注意事項

  • 京都市観光協会データ月報は、調査対象施設のみなさまのご協力、ならびに京都市観光協会会員および京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員からの会費をもとに運営しております。
  • 本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。ただし、P17のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。
  • 各種数値は、データ提供元である宿泊施設等からの訂正等により、後日予告なく修正される場合があります。原則として、後から発表される数値を正しいものとして利用いただくようお願いいたします。
  • 京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となります。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主な宿泊施設を対象とする標本調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。

京都観光総合調査との関連について

京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。

お問い合わせ先

公益社団法人 京都市観光協会 企画推進課 神田、堀江

075-213-0070

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