京都市観光協会データ月報(2022年10月)

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2022. 11. 29
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データ月報

※下記、掲載している内容は概要のみとなっております。
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調査結果のポイント

10月11日からの外国人観光客入国制限緩和と「全国旅行支援」により、コロナ禍で最も高い稼働率に

63.7%

22.4pts

2019年同月差

京都市内主要ホテル116施設における2022年10月の客室稼働率は63.7%となった。前月(9月)の54.4%からは9.3ポイント増、前年同月の38.8%からは24.9ポイント増となった。10月11日からの外国人観光客入国制限緩和と「全国旅行支援」の下支えの影響で、「GoToトラベル」期間であった2020年11月の63.3%を僅かに上回り、コロナ禍となってからの最高値を更新した。なお、コロナ禍前の2019年同月の86.1%からは22.4ポイント減となっている。

日本人延べ宿泊数の2019年同月比は、コロナ禍前からの対象施設のみで比較すると37.4%増

+37.4% 

37.4%

2019年同月比

日本人延べ宿泊数は533,611泊となり、前月(9月)の474,619泊から12.4%増となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は63.5%増、2019年同月比は106.4%増となった。コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(54施設)で比較すると、前年同月比は61.7%増、2019年同月比は37.4%増となった。2019年同月は台風の影響や、ラグビーワールドカップ開催で早い時期から外国人観光客による客室の確保が進み、日本人客にとっては予約がしづらい状況であったことも、2019年同月比が大きくなった要因だと考えられる。

外国人延べ宿泊数は、入国制限緩和により前月から約4倍となり、外国人比率もコロナ禍で最も高い13.7%に

13.7%

346.3%

前月比

外国人延べ宿泊数は84,907泊となり、前月(9月)の19,025泊から346.3%増となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は4464.9%増、2019年同月比は73.7%減となった。コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(54施設)で比較すると、前年同月比は5031.1%増、2019年同月比は80.8%減となった。総延べ宿泊者数における外国人比率は13.7%と、前月(9月)の3.9%から大幅に増加した。10月の訪日客数は9月比で約2.4倍であった一方で、京都市内主要ホテルの実宿泊客数は約4.4倍 と大きく増えており、訪日中の旅行先として京都を選ぶ人の多さをうかがい知ることができる 。

外国人延べ宿泊数の国・地域別構成比ではアメリカが最も高く、韓国はすでにコロナ禍の水準を回復する勢い

 

外国人延べ宿泊数の国・地域別構成比では、アメリカが25.9%と最も多かった。国・地域別の2019年同月比では、主要国が軒並み減少となるなか、韓国のみ42.7%増と大きく伸長した。なお、コロナ禍前からの調査対象かつ開業済みであった施設のみ(54施設)で比較した場合の2019年同月比は0.2%減であった。これは、2019年夏ごろから日韓関係が悪化した影響からの反動によるものと考えられる。

平均客室単価はコロナ禍前からの減少幅が縮小しつつも、客室収益指数はコロナ禍前を大きく下回る状況が続く

9,330

35.3%

2019年同月比

平均客室単価は14,647円となり、前年同月の11,097円からは32.0%増、2019年同月の16,739円からは12.5%減となった。客室収益指数(平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で、1室あたりの売上高に相当する)は9,330円となり、前年同月の4,306円から116.7%増、2019年同月の14,412円からは35.3%減となった。平均客室単価が前年同月を上回るのは8か月連続である。ただし、円安の影響が大きく、米国ドル建てで換算すると2019年同月比で35.8%減となっている。パリやニューヨークでは客室単価が5万円を超えており、国際的には日本の宿泊費は格安となっている。

10月の旅館の客室稼働率は60.0%となり、2か月連続で60%近い水準に達した

60.0%

10.0pts

2019年同月差

市内主要旅館24施設における10月の稼働率は60.0%となり、前月(9月)の59.8%から0.2ポイント増、コロナ禍前である2019年同月の稼働率70.0%から10.0ポイント減となった。9月に引き続いて修学旅行の催行が続いていることで、ある程度の稼働率を確保できたものの、外国人観光客をはじめとした個人旅行者による利用はコロナ禍前と比較すると低調に留まったと考えられる。また、一部施設では感染予防のため1部屋あたりの 定員数を少なくしており、稼働率は回復しても宿泊客数がコロナ禍前を下回りやすいことには留意が必要である。

月20日以上休業した施設の割合は4.2%となり、通常の営業状況に戻りつつある

4.2

市内主要旅館24施設における月20日以上休業した施設の割合は4.2%となり、前月(9月)の7.1%から2.9ポイント減となった。感染症拡大が落ち着いたことや修学旅行の催行シーズンとなったことから、通常の営業状況に戻った施設が多かった。

「行こう指数」は「全国旅行支援」の影響で2019年平均値を大幅に上回った

146.9

49.6pts

前年同月差

日本人による京都観光への訪問意向「行こう指数」の2022年10月の値は146.9(2019年の平均値を100とした場合)となり、前月(9月)の111.3からは35.6ポイント増、前年同月の97.3からは49.6ポイント増となった。2019年平均値を上回るのは8か月連続である。10月11日から「全国旅行支援」が開始され、宿泊先や観光先の情報検索する人が増えたためだと考えられる。

京都市内における宿泊施設の施設数は前年同月比4.5%減、客室数は前年同月比0.3%増となった

58,109

0.3%

前年同月比

2022年10月末時点での京都市内における営業許可を受けた宿泊施設の施設数は、17軒開業、9軒廃業、差し引き8軒増加して3,508軒となり、前年同月の3,673軒からは4.5%の減少となった。総客室数(推計)は58,109室となり、前年同月の57,956室から0.3%の増加となった。

日帰り客を含めた市内の人流動向は、コロナ禍前の2019年同月を大幅に上回る水準に

116.1

2022年10月の来街者指数は116.1(2019年の平均値を100とした場合)となり、前年同月の73.7を42.4ポイント上回った。コロナ禍前である2019年同月の95.1をも大幅に上回っている。ほとんどのエリアで来街者数が2019年年間平均値を上回った。

市内4百貨店の総売上額は約176億円、前月同月比12.8%増となった

+12.8

59.9%

2019年同月比

10月の市内4百貨店の総売上額は前年同月比12.8%増、コロナ禍前である2019年同月比9.9%増となった。2019年同月は消費税増税の影響で需要が落ち込んでいた反動もあると考えられる。また、免税売上額の前年同月比は368.2%増となったが、2019年同月比では59.9%減となり、依然として低水準である。

観光案内所の相談者数は前月から約1.5倍増加した

+58.1

10月の相談者数は前月(9月)から58.1%増となったが、2019年同月比は51.3%減であった。外国人相談者数の2019年同月比は88.1%減であり、コロナ禍前の水準には至っていない。

11月以降は、「全国旅行支援」に加え、紅葉シーズンや年末年始の影響で稼働率が高まる見込み

10月時点の今後の客室稼働率の予測値は、11月77.4%、12月75.4%、1月53.2%となった。「全国旅行支援」による需要の底上げに、紅葉シーズンや年末年始の宿泊需要が重なって、コロナ禍前の水準に迫る見込みである。
Googleによると、訪日旅行に関する潜在需要(航空および宿泊需要の検索動向の指数)は、10月時点で79.0となっており、前月(9月)の45.6からさらに上昇し、コロナ禍前の2019年同月を大幅に上回る水準に回復している。今後は、円安の後押しもあって訪日市場の回復が期待されるものの、中国からの出国制限が解除されるまでは、コロナ禍前の水準には至らないと考えられる。

参考)新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言等の期間(京都・東京)

出所)京都市HP、東京都HP、GoToトラベルHP、きょうと魅力再発見旅プロジェクトHP、もっとTokyoHP等を参考に京都市観光協会で作成

調査レポートのダウンロード/分析ダッシュボード

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調査仕様

全体概要

京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。

なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義しています。

※過去の調査結果はこちらからご覧ください。

調査対象

 

2022年10月時点 ホテル 旅館
施設数 客室数 施設数 客室数
調査対象 116 19,006 24 617
市内全体 310 36,568 367 5,311
カバー率 37.4% 52.0% 6.5% 11.6%
  • 平成30年の旅館業法改正にともないホテル・旅館の区分が廃止されたため、市内全体におけるホテルの施設数および客室数は、区分が廃止される直前までの旅館の数値に変動が無いものと仮定して算出している。
  • 前年と本年では対象施設数が異なる場合があるため、今回発表する前年の数値は昨年の発表値と異なる。
  • 客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記ホテル施設数とは対象が一部異なる。

用語説明

  • 「販売可能客室数」・・・日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
    例)100部屋を有する施設にて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
    販売可能客室数:80室×30日=2,400室
  • 「客室稼働率」・・・「販売可能客室数」における「稼働客室数」の割合
  • 「外国人比率」・・・「総延べ人数」における「外国人延べ人数」の割合
  • 「構成比」・・・「外国人延べ人数」における「各国・地域の延べ人数」の割合
  • 「伸率」・・・「前年の各国・地域の延べ人数」に対する「本年の各国・地域の延べ人数」の伸率

新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う臨時的な休業の扱いについて

調査対象期間(2022年10月1日~10月31日)中、対象施設が臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出します
例)100部屋を有する施設が、以下のように営業をしていた場合

➀ 10月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 10月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 10月21日~31日の期間(10日)は休業

販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率   :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%

臨時休業日数 全日休業
(31日間)
20日以上~
30日未満
10日以上~
20日未満
10日未満 休業なし
ホテル施設数 1

(0.8%)

2

(1.7%)

0

(0.0%)

4

(3.4%)

109

(93.9%)

旅館施設数 1

(4.2%)

0

(0.0%)

2

(8.3%)

7

(29.2%)

14

(58.3%)

 

(参考)調査対象ホテルにおける2022年10月(10月1日~10月31日)の臨時休業状況

参考 京都市における観光調査関係の資料一覧

京都市における観光調査関係の参考資料を一覧化しております。
人流データ、京都観光総合調査、経済全般に関するデータ、宿泊施設数など随時更新しております。

以下からご確認ください。

注意事項

  • 京都市観光協会データ月報は、調査対象施設のみなさまのご協力、ならびに京都市観光協会会員および京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員からの会費をもとに運営しております。
  • 本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。ただし、P16のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。
  • 各種数値は、データ提供元である宿泊施設等からの訂正等により、後日予告なく修正される場合があります。原則として、後から発表される数値を正しいものとして利用いただくようお願いいたします。
  • 京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となります。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主な宿泊施設を対象とする標本調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。

京都観光総合調査との関連について

京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。

CONTACT

本件に関するお問い合わせ先

公益社団法人 京都市観光協会

075-213-0070

企画推進課 神田、堀江