京都市観光協会データ月報(2022年5月)

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2022. 06. 28
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データ月報

調査結果のポイント

5月の客室稼働率は49.9%となり、3か月連続で40%を超えるも、コロナ禍前の水準には届かず

49.9%

36.4pts

前年同月差

京都市内主要ホテル108施設における2022年5月の客室稼働率は49.9%となった。前月(4月)の47.1%からは2.8ポイント増となり、3か月連続で40%を超える水準となった。前年同月の13.5%からは36.4ポイント増であった。しかし、コロナ禍前である2019年同月の83.1%からは33.2ポイント減となり、外国人不在の影響は依然として大きい。3年ぶりに行動制限の無いゴールデンウイークで賑わったものの、中旬以降は平日を中心に稼働率が伸び悩む結果となった。

5月の日本人延べ宿泊数の2019年同月比は、コロナ禍以前からの対象施設のみで比較すると6.5%増

+6.5% 

5月の日本人延べ宿泊数は472,977泊となり、前月(4月)の398,534泊からは18.7%増となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は356.5%増、2019年同月比は59.4%増となった。コロナ禍以前から調査対象かつ開業済みであった施設のみ(50施設)で比較すると、前年同月比は18.3%増、2019年同月比は6.5%増となった。2か月連続で2019年同月比がプラスとなった。

外国人入国者が増え始めているが、観光目的での入国が制限されていたため、京都への影響は限定的

-98.9%

外国人延べ宿泊数は前年同月比748.3%増、2019年同月比98.1%減(コロナ禍前からの調査対象施設のみで比較すると98.9%減)となり、外国人宿泊客がほぼゼロの状態となって2年2か月が経過した。5月時点では観光目的の入国が制限されていたため、観光目的での来訪者が比較的多い京都においては、外国人需要が回復する兆しはまだ表れていないといえる。

平均客室単価、客室収益指数ともに前年同月から上昇も、コロナ禍前を大きく下回り続けている

6,672

53.6%

2019年同月比

5月の平均客室単価は13,371円となり、前年同月の10,349円からは29.2%増、2019年同月の17,316円からは22.8%減となった。客室収益指数(平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で、1室あたりの売上高に相当する)は6,672円となり、前年同月の1,397円から377.6%増、2019年同月の14,390円からは53.6%減となった。稼働率、客室平均単価、客室収益指数と全ての指数が前年同月から上昇したとはいえ、コロナ禍前を大きく下回る状況が続いている。

5月の旅館の客室稼働率は64.0%となり、コロナ禍で初めて60%を超える高稼働となった

64.0%

13.6pts

2019年同月差

市内主要旅館29施設における稼働率は64.0%となり、前月(4月)の30.4%から33.6ポイントと大幅に上昇した。コロナ禍に入ってから60%を超えたのは初めて。コロナ禍前である2019年同月の稼働率77.6%からの減少幅は13.6ポイントにまで縮まった。今年は無事に修学旅行が催行された事で、日本人宿泊数はコロナ禍前と同水準となり、修学旅行を受け入れている施設の稼働率が高まった。一方で、修学旅行を受け入れていない施設は、外国人不在の影響により稼働率が低い状況が続いている。

全日休業、一部休業する施設が少なくなり、通常の営業状態に戻りつつある

6.9%

調査対象施設29施設における月間20日以上休業した施設は6.9%となり、販売可能客室数は本来販売可能であったと考えられる客室数(約2.2万室)の90.9%であった。全日休業、一部休業する施設が少なくなり、通常の営業状態に戻りつつある。

「行こう指数」は3か月連続でコロナ禍前の平均を上回る状態が続く

106.6

46.6pts

前年同月差

日本人による京都観光への訪問意向「行こう指数」の2022年5月の値は106.6(2019年の平均値を100とした場合)となり、前月(4月)の114.2からは7.6ポイント減、前年同月の60.0からは46.6ポイント増となった。京都観光の潜在需要がコロナ禍前を上回る水準が続いている。

京都市内における宿泊施設の施設数は前年同月比5.9%減、客室数は前年同月比1.6%増となった

3,540施設

5.9%

前年同月比

2022年5月末時点での京都市内における営業許可を受けた宿泊施設の施設数は、7件開業、32件廃業、差し引き25件減少して、3,540件となり、前年同月の3,762件からは5.9%の減少となった。総客室数(推計)は58,068室となり、前年同月の57,156室から1.6%の増加となった。

日帰り客を含めた市内の人流動向は、前年同月を大きく上回るも、コロナ禍前の水準には満たず

84.0

22.8pts

2019年同月差

2022年5月の来街者指数は84.0(2019年の平均値を100とした場合)となり、前年同月の41.9を42.1ポイント上回った。コロナ禍前である2019年同月の106.8からは22.8ポイント減となった。

市内4百貨店の総売上額は161億円を超え、前年同月より90.7%増となるも、コロナ禍前の水準を下回る

+90.7

93.0%

2019年同月比

5月の市内4百貨店の総売上額は161億円を超え、前年同月の84億円より90.7%増となったが、コロナ禍前の2019年同月との比較では10.4%減であり、外国人不在の影響は大きい。また免税売上額の前年同月比は19.4%減、2019年同月比では93.0%減となり、依然として低水準である。

観光案内所の相談者数は2万人近く、コロナ禍前を大きく下回る水準が続く 

5月の相談者数は、前月(4月)から0.1%減と大きな変化はなかった。コロナ禍前の2019年同月比は69.0%減となり、外国人観光客不在の影響は大きい。

7月以降の稼働率は、祇園祭や宿泊キャンペーンの影響で上昇する可能性が高い

5月時点の客室稼働率の予測値は、6月が47.1%、7月は34.7%、8月は51.7%となった。近隣府県民まで対象が拡大された「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」が7月14日まで延長になり、さらに「全国を対象とした観光需要喚起策」が7月前半から開始することが発表され、今後の宿泊需要の底上げが期待される。すでに祇園祭山鉾巡行の実施が発表されたことで、一部の日程では予約が埋まりつつある中で、さらに稼働率は上昇する可能性が高い。

6月10日から条件付きで訪日観光客の入国が再開されており、本格的に受け入れ態勢を整える必要がある

  

Googleによると、全世界における国際旅行に関する5月の潜在需要(航空および宿泊需要の検索動向の指数)は、コロナ禍前の2019年同月比で54.2%増となり、各国の入国制限緩和により旅行需要が高まり続けている。
日本でも6月10日から添乗員付きパッケージツアーでの訪日観光客の入国が再開された。一部の宿泊施設では、秋以降の海外からの団体ツアーの問い合わせが入っているが、秋はすでに日本人向けのツアー予約で埋まりつつあることもあり、外国人による団体ツアーが急激に回復する見込みは薄く、当面はビジネス客や国内在住者による需要が緩やかに回復していくことが期待される。しかしながら、ウクライナの情勢次第では、原油価格と欧米諸国の航空ルート変更に伴う航空運賃の上昇など回復に歯止めがかかる可能性もある。当面は、日本政府の水際対策方針と各地域の出入国状況などを注視しながら、受け入れ態勢を本格的に整えていく必要がある。

参考)新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言等の期間(京都・東京)

出所)京都市HP、東京都HP、GoToトラベルHP、きょうと魅力再発見旅プロジェクトHP、もっとTokyoHP等を参考に京都市観光協会で作成

調査レポートのダウンロード/分析ダッシュボード

調査レポートの詳細な分析結果(PDF)のダウンロード、また各種データを自由に加工・分析していただける
分析ダッシュボードについては、以下からそれぞれお申込みください。

入力いただいた情報は、京都市観光協会において適切に管理し、当協会事業以外では使用いたしません。
※データを利用する際には、必ず出典と引用元URLの明記をお願いします。
※フォームへのリンクが開かない場合は、お手数ですが問い合わせフォームにご連絡ください。

   

調査仕様

全体概要

京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。

なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義しています。

※過去の調査結果はこちらからご覧ください。

調査対象

 

2022年5月時点 ホテル 旅館
施設数 客室数 施設数 客室数
調査対象 108 18,270 29 725
市内全体 306 36,321 367 5,311
カバー率 35.3% 50.3% 7.9% 13.7%
  • 平成30年の旅館業法改正にともないホテル・旅館の区分が廃止されたため、市内全体におけるホテルの施設数および客室数は、区分が廃止される直前までの旅館の数値に変動が無いものと仮定して算出している。
  • 前年と本年では対象施設数が異なる場合があるため、今回発表する前年の数値は昨年の発表値と異なる。
  • 客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記ホテル施設数とは対象が一部異なる。

用語説明

  • 「販売可能客室数」・・・日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
    例)100部屋を有する施設にて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
    販売可能客室数:80室×30日=2,400室
  • 「客室稼働率」・・・「販売可能客室数」における「稼働客室数」の割合
  • 「外国人比率」・・・「総延べ人数」における「外国人延べ人数」の割合
  • 「構成比」・・・「外国人延べ人数」における「各国・地域の延べ人数」の割合
  • 「伸率」・・・「前年の各国・地域の延べ人数」に対する「本年の各国・地域の延べ人数」の伸率

新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う臨時的な休業の扱いについて

調査対象期間(2022年5月1日~5月31日)中、対象施設が臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出します
例)100部屋を有する施設が、以下のように営業をしていた場合

➀ 5月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 5月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 5月21日~31日の期間(11日)は休業

販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率   :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%

臨時休業日数 全日休業
(31日間)
20日以上
31日未満
10日以上~
20日未満
10日未満 休業なし
ホテル施設数 2

(1.8%)

0

(0.0%)

0

(0%)

2

(1.8%)

104

(96.2%)

旅館施設数 0

(0.0%)

2

(6.9%)

1

(3.4%)

9

(31.0%)

17

(58.6%)

 

(参考)調査対象ホテルにおける2022年5月(5月1日~5月31日)の臨時休業状況

参考 京都市における観光調査関係の資料一覧

京都市における観光調査関係の参考資料を一覧化しております。
人流データ、京都観光総合調査、経済全般に関するデータ、宿泊施設数など随時更新しております。

以下からご確認ください。

注意事項

京都市観光協会データ月報は、調査対象施設のみなさまのご協力、ならびに京都市観光協会会員および京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員からの会費をもとに運営しております。

本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。ただし、P15のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。

各種数値は、データ提供元である宿泊施設等からの訂正等により、後日予告なく修正される場合があります。原則として、後から発表される数値を正しいものとして利用いただくようお願いいたします。

京都観光総合調査との関連について

京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。

CONTACT

本件に関するお問い合わせ先

公益社団法人 京都市観光協会

075-213-0070

企画推進課 神田、堀江