調査結果のポイント
45 %
13.7pts (前年同月差)
3月の客室稼働率は45.0%と、まん延防止等重点措置の解除などの影響で、前月から上昇した
京都市内主要ホテル109施設における2022年3月の客室稼働率は45.0%となり、前月の32.1%からは12.9ポイント増、前年同月の31.3%からは13.7ポイント増となった。3月22日にまん延防止等重点措置が解除され、桜の開花も始まったことで3月下旬に需要が回復し、40%台を超える水準にまで達した。コロナ禍前である2019年同月の85.0%からは40.0ポイント減であった。
-15.0 %
26.4pts (前月差)
3月の日本人延べ宿泊数の2019年同月比は、コロナ禍以前からの対象施設のみで比較すると15.0%減
3月の日本人延べ宿泊数は418,489泊となり、前月(2月)の241,185泊からは73.5%増となった。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は55.7%増、2019年同月比は31.5%増となった。コロナ禍以前から調査対象かつ開業済みであった施設のみ(53施設)で比較すると、前年同月比は53.4%増、2019年同月比は15.0%減となった。(2月の2019年同月比は41.4%減であり、26.4pts改善)
-99.5 %
0.2pts (前月差)
外国人宿泊客がほぼゼロの状態となって2年が経過した
外国人延べ宿泊数は前年同月比24.0%減、2019年同月比99.1%減(コロナ禍前からの調査対象施設のみで比較すると99.5%減)となり、外国人宿泊客がほぼゼロの状態となって2年が経過した。
6,009 円
47.60% (前年同月比)
平均客室単価、客室収益指数ともにコロナ禍前を下回り続けており、ホテルにとって厳しい経営環境が続く
3月の平均客室単価は13,353円となり、前年同月の13,003円からは2.7%増、2019年同月の17,341円からは23.0%減となった。客室収益指数(平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で、1室あたりの売上高に相当する)は6,009円となり、前年同月の4,070円から47.6%増、2019年同月の14,740円からは59.2%減となった。稼働率、客室平均単価、客室収益指数と全ての指数が前年同月からやや上昇したとはいえ、コロナ禍前を大きく下回る状況が続いている。
27.9 %
10.0pts (前年同月差)
3月の旅館の客室稼働率は27.9%となり、前月の14.9%から倍増も、依然として低水準が続いている
市内主要旅館30施設における稼働率は27.9%となり、前月(2月)の14.9%から上昇、前年同月の17.9%から10.0ポイント増となった。しかしながら、例年であれば相当の需要が見込まれる桜の季節としては低水準であり、厳しい経営環境が続いているといえる。
69.8 %
23.2pts (前月差)
月間20日以上休業した施設は約2割、販売可能客室数は本来の約7割減となった
月間20日以上休業した施設は約2割となり、販売可能客室数は本来販売可能であったと考えられる客室数(約2.3万室)の69.8%であった(前月の46.6%からは23.2ポイント改善)。前月からは回復したものの、3月21日まで適用されていたまん延防止等重点措置期間は休業していた施設が多かったものと考えられる。
108
31.6pts (前年同月差)
「行こう指数」は4か月ぶりに高水準となり、まん延防止等重点措置解除後の旅行需要に回復の兆し
京都観光への訪問意向「行こう指数」の2022年3月の値は108.0(2019年の平均値を100とした場合)となり、前月(2月)の77.4からは30.6ポイント増、前年同月の76.4からは31.6ポイント増となった。まん延防止等重点措置解除後の旅行需要の回復の兆しがみられた。
3,567 施設
5.70% (前年同月比)
2021年度の京都市内における宿泊施設は3,567件となり、新規開業、廃業件数はいずれも前年度を下回った
2022年3月末時点での京都市内における営業許可を受けた宿泊施設の施設数は、16件開業、45件廃業、差し引き29件減少して、3,567件となり、前年同月の3,783件からは5.7%の減少となった。一方で、総客室数は58,616室となり、前年同月比4.3%増となった。
2021年度の通算新規開業数は203件、廃業数は419件となった(2020年度は新規開業が422件、廃業が632件)。ホテル・旅館の施設数は前年並みに留まったが、簡易宿所が大幅に減少したことで、総施設数は前年から216件減少した。
80.3
3.7pts (前年同月差)
日帰り客を含めた市内の人流動向は前年同月を上回ったものの、コロナ禍前の水準には満たず
2022年3月の来街者指数は80.3(2019年の平均値を100とした場合)となり、前年同月の76.6を3.7ポイント上回った。コロナ禍前である2019年同月の102.7からは22.4ポイント減となった。
市内4百貨店の総売上額は前年同月を上回ったが、免税売上額の低迷が続く
3月の市内4百貨店の総売上額は前年から1.6%増となったが、コロナ禍前の2019年同月比では19.8%減となった。また免税売上額の前年同月比は5.9%減、2019年同月比では94.6%減となり、依然として低水準である。
観光案内所の相談者数は前月から3倍となったが、コロナ禍前を大きく下回る水準が続く
3月の相談者数は、前月(2月)から199.6%増となったものの、コロナ禍前の2019年同月比72.1%減となり、外国人観光客不在の影響は大きい。
4月以降の稼働率の予測値は、先行き不透明さから低調であるものの、コロナ禍で初めて外出自粛要請のないGWを迎える事や宿泊キャンペーン等の拡大で、上振れする可能性が高い
主要ホテル客室稼働率の3月時点の予測値は、4月は30.4%、5月は50.0%、6月は36.5%となった。先行きの不透明さや、GoToトラベルキャンペーンの動向が判明するまで予約を避ける心理がはたらき、予約が滞ったと考えられる。しかしながら、3月22日から再開された「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」(京都府民限定の宿泊キャンペーン)が5月末まで延長になった事や、コロナ禍以降で初めて外出自粛要請がないゴールデンウィークを迎える事などから、客室稼働率が上昇する可能性は高い。
諸外国では急速に入国制限緩和が進んでおり、国際旅行に関する潜在需要もコロナ禍前より高まっている状況
世界各国では入国制限の緩和が急速に進んでおり、観光旅行を目的としたツアーの誘致なども始まっている。日本でも、ビジネス目的や留学生の入国に限るが3月の訪日外国人数は2021年7月以来8ヶ月ぶりに5万人を上回った。4月10日には1日あたりの入国者数も1万人に引き上げられた。
Google社によると、全世界における国際旅行に関する3月の潜在需要(航空および宿泊需要の検索動向の指数)は、2019年同月比で14.3%増と、旅行需要が急激に高まっている。しかしながら、ウクライナの情勢次第では、原油価格と欧米諸国の航空ルート変更に伴う航空運賃の上昇や、旅行先での消費力を左右する為替レートの変動により、回復に歯止めがかかる可能性もある。当面は、各地域の出入国状況などを注視しながら、受け入れ態勢を本格的に整えていく必要がある。
参考)新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言等の期間(京都・東京)
出所:京都市HP、東京都HP、GoToトラベルHP等を参考に京都市観光協会で作成
調査レポートのダウンロード/分析ダッシュボード
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調査仕様
全体概要
京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。
なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義しています。
※過去の調査結果はこちらからご覧ください。
調査対象
2022年3月時点 | ホテル | 旅館 | ||
施設数 | 客室数 | 施設数 | 客室数 | |
調査対象 | 109 | 18,522 | 30 | 744 |
市内全体 | 313 | 36,754 | 367 | 5,311 |
カバー率 | 34.8% | 50.4% | 8.2% | 14.0% |
- 平成30年の旅館業法改正にともないホテル・旅館の区分が廃止されたため、市内全体におけるホテルの施設数および客室数は、区分が廃止される直前までの旅館の数値に変動が無いものと仮定して算出している。
- 前年と本年では対象施設数が異なる場合があるため、今回発表する前年の数値は昨年の発表値と異なる。
- 客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記ホテル施設数とは対象が一部異なる。
- 「販売可能客室数」・・・日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
例)100部屋を有する施設にて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
販売可能客室数:80室×30日=2,400室 - 「客室稼働率」・・・「販売可能客室数」における「稼働客室数」の割合
- 「外国人比率」・・・「総延べ人数」における「外国人延べ人数」の割合
- 「構成比」・・・「外国人延べ人数」における「各国・地域の延べ人数」の割合
- 「伸率」・・・「前年の各国・地域の延べ人数」に対する「本年の各国・地域の延べ人数」の伸率
用語説明
新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う臨時的な休業の扱いについて
調査対象期間(2022年3月1日~3月31日)中、対象施設が臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出します。
例)100部屋を有する施設が、以下のように営業をしていた場合
➀ 3月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 3月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 3月21日~31日の期間(11日)は休業
販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率 :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%
(参考)調査対象ホテルにおける2022年3月(3月1日~3月31日)の臨時休業状況
臨時休業日数 | 全日休業 (31日間) | 20日以上 31日未満 | 10日以上~ 20日未満 | 10日未満 | 休業なし |
ホテル施設数 | 2
(1.8%) | 2
(1.8%) | 2
(1.8%) | 3
(2.7%) | 100
(91.7%) |
旅館施設数 | 0
(0.0%) | 7
(23.3%) | 6
(20.0%) | 4
(13.3%) | 13
(43.3%) |
参考 京都市における観光調査関係の資料一覧
京都市における観光調査関係の参考資料を一覧化しております。
人流データ、京都観光総合調査、経済全般に関するデータ、宿泊施設数など随時更新しております。
以下からご確認ください。
注意事項
京都市観光協会データ月報は、調査対象施設のみなさまのご協力、ならびに京都市観光協会会員および京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員からの会費をもとに運営しております。
本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。ただし、P15のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。
京都観光総合調査との関連について
各種数値は、データ提供元である宿泊施設等からの訂正等により、後日予告なく修正される場合があります。原則として、後から発表される数値を正しいものとして利用いただくようお願いいたします。”京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。
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公益社団法人 京都市観光協会 企画推進課 神田、堀江
075-213-0070