京都市観光協会データ月報(2021年10月)

UPDATE :
2021. 11. 30
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データ月報

調査結果のポイント

緊急事態宣言が明けた市内主要ホテルの10月の客室稼働率は39.1%、前月9月から上昇し、前年同月とほぼ同水準に

39.1%

12.1pts

京都市内主要ホテル103施設における2021年10月の客室稼働率は39.1%となり、前月(9月)の27.0%からは12.1ポイント増となった。前年同月の40.6%からは1.5ポイント減で、前年同月には全国的に実施されていたGoToトラベルキャンペーンが無いなかで同程度の水準にまで達した。コロナ禍前(前々年同月)の86.1%からは47.0ポイント減となった。

日本人延べ宿泊数は、前月(9月)から6割増、GoToトラベルがあった前年同月とほぼ同水準となった

+60.2% 

日本人延べ宿泊数は329,741泊となり、前月(9月)の205,792泊からは60.2%増となった。前年同月からは2.8%減、前々年同月比では27.6%増となった。コロナ禍以前から調査対象であった施設のみ(65施設)で比較すると、前年同月比は14.8%減、前々年同月比は2.7%減となった。

外国人延べ宿泊数はコロナ禍前比(前々年同月比)99.5%減、19ヶ月連続でほぼゼロの状態が続く

-99.5%

外国人延べ宿泊数は前年同月比19.4%増となったものの、コロナ禍前との比較では99.5%減となり、外国人宿泊客がほぼゼロの状態となって19カ月が経過した。

平均客室単価、客室収益指数ともに前年同月より減少し、ホテルの経営は引き続き厳しい状況が続く

4,033

72.0%

平均客室単価は10,314円となり、前年同月の12,385円からは16.7%減となった。客室収益指数(平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で、1室あたりの売上高に相当する)は4,033円となり、前年同月の5,028円からは19.8%減少した。昨年はGoToトラベルキャンペーンの影響で急増する需要に備えて客室単価を上げる施設が多かったが、今年はキャンペーンの範囲が限定的であるため価格が伸び悩んでいると考えられる。コロナ禍前(前々年同月)の14,407円と比較すると72.0%減となり、ホテルの経営は非常に厳しい状況が続いている。

修学旅行が再開したことで市内主要旅館の客室稼働率は45.1%と、前月9月から大幅に上昇

45.1%

33.6pts

市内主要旅館31軒における稼働率は45.1%となり、前月(9月)の11.5%から大幅に上昇した。前年同月の37.0%からも8.1ポイント増となった。緊急事態宣言が明け、予定どおり修学旅行が実施された事が主な要因である。ただし、修学旅行の予約が入っている日以外は休業していた施設もあり、休業分を除いて算出している稼働率が高くなりやすくなっていることには留意が必要である。

月間20日以上休業した施設が全体の約2割、販売可能客室数は本来の約7割程度に留まる

調査対象施設31軒中、月間20日以上休業した施設は全体の約2割を占めた(前月9月は約6割)。10月の販売可能客室数は、本来販売可能であったと考えられる客室数(月間延べ約2.3万室)の約7割程度となった。

訪問意向(行こう指数)は122.6となり、前月9月から急上昇したものの、前年同月155.8には満たず

122.6 

42.0pts

「行こう指数」の2021年10月の値は122.6となり、前月(9月)の80.6から42.0ポイント増となったものの、前年同月の155.8を33.2ポイント下回った。緊急事態宣言が明け、京都旅行に関するツイートが非常に多くなった一方で、GoToトラベルキャンペーンがあった前年同月ほど宿泊予約サイトや観光情報サイトなどの指数が伸びなかった。

宿泊施設数は減少する一方で、客室数が増える傾向が続く

55,866

1.2%

2021年10月末時点の京都市内において営業許可を受けている宿泊施設数は3,673件となり、前年同月の3,872件からは5.1%の減少。推定客室数は55,866室となり、今年6月から5ヶ月連続で減少しているものの、前年同月の推定客室数(55,185室)からは1.2%の増加となった。

市内の人流動向は、緊急事態宣言が解除され大幅に上昇したものの、前年同月やコロナ禍前の水準には満たず

73.7

9.8pts

スマートフォンの位置情報をもとに集計した市内主要地点39箇所における2021年10月の来街者数は、2019年の平均値を100とした場合73.7となり、前月(9月)の55.8から大幅に上昇した。緊急事態宣言が解除されたものの、GoToトラベルキャンペーンがあった前年同月の83.5からは9.8ポイント減、コロナ禍前(前々年同月)の95.1からは21.4ポイント減となった。

市内4百貨店の総売上額は157億円を超え、前年同月を上回った

  

緊急事態宣言が解除され、9月の市内4百貨店の総売上額は前年同月比0.5%増となった。また免税売上額の前年同月比は1045.5%増となったが、前々年同月比は91.4%減であり、依然として低水準である。

観光案内所の営業が再開

-25.9

緊急事態宣言の解除に伴い、京都総合観光案内所の営業が再開した。10月の相談者数は前年同月比25.9%減となった。前々年同月比では77.5%減となり、外国人観光客不在の影響は大きい。

客室稼働率の予測値は、11月は65.5%、12月・1月も前年同月を超える稼働率となる見込み

65.5

10月時点の予測では、11月の予測客室稼働率は65.5%となっており、GoToトラベルキャンペーンがあった前年同月の63.2%(実績値)と同水準となる見込みである。ワクチン接種によって感染不安が小さくなった事や「リベンジ消費」、紅葉シーズンの到来、京都府民限定のキャンペーン「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」の開始などが要因として考えられる。その後、12月・1月の稼働率は40%を超えて推移する見込みである。

宿泊予約サイトにおける販売価格は、今後1月にかけて前年同期を上回る水準で推移する

  

京都市内宿泊施設の客室販売価格は、今後1月末までほぼ全ての週末において前年同期よりも高い状況が続く。特に11月末や、年始の価格が高くなっている。今後の需要回復を見越した価格設定がなされていることはもちろん、昨年は12月頭から感染症拡大の影響により旅行自粛が始まったことで価格設定が下がっていたことも影響していると考えられる。

入国制限の緩和が進んでおり、訪日旅行に関する関心も高まる兆候がみられるが、今後の見通しは不透明

世界的に入国制限の緩和が進められており、日本においても11/8に外国人のビジネス関係者や留学生の入国が認められ、隔離期間も短縮となった。全世界のインターネットユーザーによる訪日旅行に関する航空および宿泊需要の検索動向の10月の指数は17.1となり、前年同月の12.4からは4.7ポイント増(38.3%増)と上昇しており、訪日旅行への関心が高まり始めたと考えられる。ただし、新たなウイルス変異株(オミクロン株)の流行により、11/30から外国人の入国が原則禁止となり、今後の見通しは不透明な状況に戻っている。

参考)新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言等の期間(京都・東京)

出所:京都市HP、東京都HP、GoToトラベルHP等を参考に京都市観光協会で作成
※持続可能な観光の実現に向けて京都観光行動基準(京都観光モラル)に沿った行動の実践を促進するための、市民・観光客を対象にしたキャンペーンの名称。京都観光モラルに賛同、ワクチン接種又はPCR検査陰性証明の提示により、対象店舗での特典付与、抽選を受けることができる。特設サイト(https://kankou-moral.kyoto.travel/)

調査レポートのダウンロード/分析ダッシュボード

調査レポートの詳細な分析結果(PDF)のダウンロード、また各種データを自由に加工・分析していただける
分析ダッシュボードについては、以下からそれぞれお申込みください。

入力いただいた情報は、京都市観光協会において適切に管理し、当協会事業以外では使用いたしません。
※データを利用する際には、必ず出典と引用元URLの明記をお願いします。
※フォームへのリンクが開かない場合は、お手数ですが問い合わせフォームにご連絡ください。

   

調査概要

全体概要

京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。

なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義しています。

※過去の調査結果はこちらからご覧ください。

調査対象

 

2021年10月時点 ホテル 旅館
施設数 客室数 施設数 客室数
調査対象 103 18,120 31 748
市内全体 317 34,711 367 5,311
カバー率 32.5% 52.2% 8.5% 14.1%
  • 平成30年の旅館業法改正にともないホテル・旅館の区分が廃止されたため、市内全体におけるホテルの施設数および客室数は、区分が廃止される直前までの旅館の数値に変動が無いものと仮定して算出している。
  • 前年と本年では対象施設数が異なる場合があるため、今回発表する前年の数値は昨年の発表値と異なる。
  • P15の客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記ホテル103施設とは対象が一部異なる。

分析数値

  • 「販売可能客室数」・・・日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
    例)100部屋を有する施設にて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
    販売可能客室数:80室×30日=2,400室
  • 「客室稼働率」・・・「販売可能客室数」における「稼働客室数」の割合
  • 「外国人比率」・・・「総延べ人数」における「外国人延べ人数」の割合
  • 「構成比」・・・「外国人延べ人数」における「各国・地域の延べ人数」の割合
  • 「伸率」・・・「前年の各国・地域の延べ人数」に対する「本年の各国・地域の延べ人数」の伸率

新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う臨時的な休業の扱いについて

調査対象期間(2021 年10月1 日~10月31日)中、対象施設が臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出する。
例)100部屋を有する施設が、以下のように営業をしていた場合

➀ 10月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 10月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 10月21日~31日の期間(11日)は休業

販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率   :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%

臨時休業日数 全日休業
(31日間)
20日以上
31日未満
10日以上~
20日未満
10日未満 休業なし
ホテル施設数 3

(2.9%)

0

(0.0%)

0

(0.0%)

0

(0.0%)

100

(97.1%)

旅館施設数 1

(3.1%)

5

(15.6%)

5

(15.6%)

2

(6.3%)

18

(56.3%)

 

(参考)調査対象ホテルにおける2021年10月(10月1日~10月31日)の臨時休業状況

その他

京都市観光協会データ月報は、調査対象施設のみなさまのご協力、ならびに京都市観光協会会員および京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員からの会費をもとに運営しております。

本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。ただし、P15のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。

各種数値は、データ提供元である宿泊施設等からの訂正等により、後日予告なく修正される場合があります。原則として、後から発表される数値を正しいものとして利用いただくようお願いいたします。

京都観光総合調査との関連について

京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。

参考 京都市における観光調査関係の資料一覧

京都市における観光調査関係の参考資料を一覧化しております。
人流データ、京都観光総合調査、経済全般に関するデータ、宿泊施設数など随時更新しております。

以下からご確認ください。

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本件に関するお問い合わせ先

公益社団法人 京都市観光協会

075-213-0070

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