-60.0%
21.6pts
京都市内主要ホテル95施設における2021年5月の日本人延べ宿泊数は、前年同月比423.3%増となった。ただし、昨年5月は1回目の緊急事態宣言の影響で大半のホテルが休業しており、延べ宿泊数が極めて少なかったことに留意が必要である。なお、コロナ禍前との比較(前々年同月比)では60.0%減となり、2021年4月の前々年同月比38.4%減からは21.6ポイント悪化した。1ヶ月間を通して緊急事態宣言期間となった事が主な要因であると考えられる。
-99.8%
外国人延べ宿泊数は前年同月比190.7%増となったものの、コロナ禍前との比較(前々年同月比)では99.8%減となり、外国人宿泊客がほぼゼロの状態となって14カ月が経過した。
16.7%
3.9pts
客室稼働率は16.7%となり、2021年4月の20.6%からは3.9ポイントの減少となった。前年同月の8.1%からは8.6ポイント増となったものの、前々年同月の83.1%からは66.4ポイント減となった。国内他都市と比べても低い水準が続いている。
1.70泊
0.35泊
1部屋当たり宿泊客数は1.49人となり、前年同月の1.23人を上回った。1人当たり宿泊日数は1.70泊となり、前年同月の2.05泊から短縮した。1回目の緊急事態宣言期間中、感染リスクを下げる為、ホテルに個人で長期滞在する人が増加していたことの反動であると考えられる。
1,819円
87.4%
平均客室単価は10,893円となり、前年同月の10,375円からは約5.0%増と、わずかな値動きに留まった。客室収益指数の推移は、前年同月の840円からは上昇して1,819円となったものの、前々年同月の14,438円と比較すると87.4%減となり、ホテルの経営は厳しい状況が続いている。
45.6
7.5pts
インターネット上における京都観光への訪問意向に関するデータをもとに集計した「行こう指数」の2021年5月の値は45.6となり、前年4月の38.8に次ぐ低い数値となった。
56,551室
5.1%
2021 年5月末時点の京都市内において営業許可を受けている宿泊施設の施設数は3,762 件、推定客室数は56,551室となり、前年同月の客室数(53,807室)からは5.1%の増加となった。
41.9
18.9pts
スマートフォンの位置情報をもとに集計した市内主要地点39箇所における来街者数の合計は、2019年の平均値を100とすると、2021年5月は41.9となった。前年同月の32.3からは増加したが、前々年同月の106.8を大きく下回り、日帰り客も含めた需要は依然としてコロナ禍前を大きく下回った状況が続いている。
年代別の構成比を見ると、コロナ禍前は30%を超えていた60代以上の来街者数が、コロナ禍以降減っており、2021年に入ってからは30%を下回り続けている。高齢者に対するワクチン接種が進んでいるものの、6月途中時点ではまだ高齢者が占める割合が増加する兆候は見られていない。
市内4百貨店における5月の免税売上額は前年同月比488.1%増となった。ただし、昨年5月は1回目の緊急事態宣言下であったことから、臨時休業や営業時間短縮で免税売上額が激減していた。前々年同月比は91.4%減であり、依然として低水準である。免税件数は前年同月比35.6%増となった。
京都府における緊急事態宣言は6月20日に解除されたが、「まん延防止等重点措置」が引き続き7月11日まで適用されている。6月28日時点でワクチンの2回接種を完了した市内高齢者の割合は約31.8%となっており、これは全国平均の24.4%を上回る勢いである。府内における新型コロナウイルス感染症の実効再生産数(1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す指数)も1.0を下回っており、感染状況は改善に向かっている。各種キャンペーンの実施も検討され始めているが、人の移動や経済活動の制限が解除される見通しは不透明であり、当面は柔軟な対応が求められる状況が続く。
欧米諸国では日本に先駆けて「ワクチンパスポート」の導入が進んでいる。訪日需要の回復には時間がかかるものの、年明けからインターネット上における訪日への関心は着実に高まっていることがデータでも確認されており、海外の旅行者に対して働きかけを進めていくことが可能な状態が整いつつあると考えられる。
5月時点の客室稼働率の予測値は、7月には10.9%にまで落ち込むものの、8月には13.7%とやや回復する見込みである。この予測値は緊急事態宣言の解除前の状況をもとに計算したものであるため、緊急事態宣言の解除が発表されたことを受けて今後の宿泊予約を行う観光客が増えることが想定されることから、実際にはこれらの予測値を上回る可能性が高い。
京都市内宿泊施設の客室販売価格(宿泊日の4週間前時点で検索)は、3回目の緊急事態宣言の影響で5~6月にかけて1万円台前半まで下落したが、宣言解除後はお盆期間が近づくに連れて上昇し、1万円台後半に達する見込みである。
スマートフォンの位置情報をもとに集計した来街者数のデータをもとに、市内感染者数などの社会情勢を踏まえて3パターンのシナリオに分けて予測試算を行ったところ、いずれのシナリオでもお盆の行楽シーズンの大幅な需要増は見込まれなかった。その後、ワクチンの普及によって感染状況が改善した場合は、9月後半の連休に需要が回復し始める可能性が見込まれるため、人員配備や資材調達への備えを検討し始める時期が近づいていると考えられる。
京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。
なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義しています。
※過去の調査結果はこちらからご覧ください。
2021年5月時点 | 施設数 | 客室数 |
調査対象 | 95 | 16,762 |
市内全体 | 321 | 34,945 |
カバー率 | 29.5% | 47.9% |
調査対象期間(2021 年5月1 日~5月31 日)中、対象施設が臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出する。
例)100部屋を有する施設が、以下のように営業をしていた場合
➀ 5月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 5月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 5月21日~31日の期間(11日)は休業
販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率 :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%
臨時休業日数 | 全日休業 (31日間) |
20日以上 31日未満 |
10日以上~ 20日未満 |
10日未満 | 休業なし |
施設数 | 7
(7.4%) |
3
(3.2%) |
1
(1.1%) |
1
(1.1%) |
83
(87.4%) |
(参考)調査対象ホテルにおける2021年5月(5月1日~5月31日)の臨時休業状況
京都市観光協会データ月報は、調査対象施設のみなさまのご協力、ならびに京都市観光協会会員および京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員からの会費をもとに運営しております。
本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。ただし、P15のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。
京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。
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