-38.4%
10.4pts
京都市内主要ホテル94施設における2021年4月の日本人延べ宿泊数は、前年同月比401.7%増となった。ただし、昨年4月は1回目の緊急事態宣言により大半のホテルが休業しており、延べ宿泊数が極めて少なかったことで、増加率が大きくなったことに留意が必要である。なお、コロナ禍以前の前々年同月との比較では38.4%減であった。3月の前々年同月比28.0%減からは10.4ポイント悪化した。例年より早い桜の開花宣言により観光需要が3月中に前倒しとなったことに加え、「まん延防止等重点措置」や3回目の緊急事態宣言が発出された影響によるものと考えられる。
-99.8%
外国人延べ宿泊数は前年同月比29.2%減、前々年同月との比較では99.8%減となり、外国人宿泊客がほぼゼロの状態となって13カ月が経過した。
20.6%
10.9pts
客室稼働率は20.6%となり、3月の31.5%からは10.9ポイントの減少となった。前年同月の5.7%からは14.9ポイント増となったものの、前々年同月の89.9%からは69.3ポイント減となり、例年であればあるはずの春の行楽需要の大半が2年連続で失われてしまったことになる。
1.26泊
0.68泊
1部屋当たり宿泊客数は1.46人となり、前年同月の1.31人を上回った。1人当たり宿泊日数は1.26泊となり、1.94泊から大幅に短縮した。昨年の1回目の緊急事態宣言下では、新型コロナウイルス感染症への対応を巡って社会が混乱していたためか、感染リスクを下げるための手段としてホテルに個人で長期滞在する人が増加したものと考えられる。
2,584円
38. 2%
平均客室単価は前年同月比3.0%減と小幅な値動きに留まった。したがって、客室収益指数の動きは客室稼働率と同様、前年同月からは上昇したものの、前月からは38.2%減の2,584円となっており、ホテルの経営は厳しい状況が続いている。
53.1
23.3pts
インターネット上における京都観光への訪問意向に関するデータをもとに集計した「行こう指数」の2021 年4 月の値は53.1 となり、前月の76.4 から23.3 ポイント下落した。緊急事態宣言の再発出によって、再び京都への訪問意向が減退したことや、イベント等の中止・延期によってインターネット上の観光情報が少なくなっていることが要因として考えられる。
56,676室
5.6%
2021 年4 月末時点の京都市内において営業許可を受けている宿泊施設の施設数は3,784 件、推定客室数は56,676室となり、前年同月の客室数からは5.6%の増加となった。
60.8
18.4pts
スマートフォンの位置情報をもとに集計した市内主要地点39箇所における来街者数の合計は、2019年の平均値を100とすると、2021年4月は60.8となった。前年同月の35.8からは増加したが、前々年同月の111.0と比較すると少なく、前月の79.2からも下落となった。日帰り客も含めた需要は依然としてコロナ禍前を大きく下回った状況が続いている。
6,160万円
37.9%
市内4百貨店における4月の免税売上額は前年同月比58.5%増の6,160万円となった。ただし、昨年4月は臨時休業や営業時間短縮ですでに免税売上額が激減していた。前々年同月比は96.9%減であり、前月の9,965万円からも37.9%減と依然として低水準である。免税件数は前年同月比9.6%減となった。
6,370人
57.6%
京都総合観光案内所の相談者数は前年同月比277.8%増となった。ただし、昨年4月は緊急事態宣言で閉館していた影響があり増加率が大きくなったことには留意が必要であり、前々年同月比では97.6%減であった。前月の15,039人からも57.6%減と、大きく減少する結果となった。
京都府に緊急事態宣言が発出されてからも、府内における新型コロナウイルス感染症の実効再生産数(1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す指数)は1.0前後で推移しており、感染流行が終息する兆候は見えていない。一方で、6月末までには京都市内の高齢者数(約41万人)の利用分を超えるワクチンが国から配送される見込みであり、5月24日時点で40,400回の接種(医療従事者は除く)が行われている。
欧米諸国ではワクチン接種率が比較的高く、欧州連合では夏の観光シーズンを前に、ワクチン接種や検査結果を電子的に証明する枠組み「EU Digital COVID Certificate」が最終合意されたところであり、海外諸国間での旅行需要が先行して回復する可能性が高いと考えられる。また、中国では航空路線の便数がすでにコロナ禍前を上回る水準に達しており、国内旅行市場が拡大している。訪日需要の回復には時間がかかるものの、旅行を再開し始める海外の消費者に対する働きかけを、徐々に検討し始める時期に差し掛かっていると言える。
2021年5月以降の客室稼働率の予測値は、4月の20.6%から徐々に下がり、7月には10.7%にまで落ち込む見込みである。緊急事態宣言の再延長が検討されており、今後の情勢次第ではさらに下振れする可能性がある。
予約サイトにおける京都市内宿泊施設の客室販売価格は、4月中旬以降大きく下落し、ゴールデンウィーク期間を除くと概ね昨年夏頃と同じ水準で推移している。7月以降は上昇傾向であり、ワクチンの普及によって需要が上向くことを期待した価格設定を行っている施設が多いと考えられる。
京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。
なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義しています。
※過去の調査結果はこちらからご覧ください。
2021年4月時点 | 施設数 | 客室数 |
調査対象 | 94 | 16,997 |
市内全体 | 317 | 34,897 |
カバー率 | 29.6% | 48.7% |
調査対象期間(2021 年4月1 日~4月30 日)中、対象施設が臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出する。
例)100部屋を有する施設が、以下のように営業をしていた場合
➀ 4月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 4月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 4月21日~30日の期間(10日)は休業
販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率 :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%
臨時休業日数 | 全日休業 (30日間) |
20日以上 30日未満 |
10日以上~ 20日未満 |
10日未満 | 休業なし |
施設数 | 4
(4.2%) |
0
(0.0%) |
1
(1.1%) |
1
(1.1%) |
88
(93.6%) |
(参考)調査対象ホテルにおける2021年4月(4月1日~4月30日)の臨時休業状況
京都市観光協会データ月報は、調査対象施設のみなさまのご協力、ならびに京都市観光協会会員および京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員からの会費をもとに運営しております。
本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。
ただし、P15のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。
京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなります。
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