-58.2%
5.4pts
京都市内主要ホテル68施設における2021年2月の日本人延べ宿泊数は、前年同月比58.2%減となり、1月の同63.6%減からは5.4ポイント上昇した。京都市においては1月14日から2月28日まで緊急事態宣言期間となったことで、延べ宿泊数は昨年7月を下回る水準が2カ月連続で続いている。
コロナ禍以前の前々年同月との比較では同60.9%減となった。昨年2月時点ではまだ日本人の旅行需要が大きく減少していなかったため、前年同月比と前々年同月比の差はほとんど無かった。
-99.5%
0.3pts
外国人延べ宿泊数は同99.5%減、外国人比率も0.5%に留まり、外国人観光客がほぼゼロの状態となって11カ月が過ぎようとしている。緊急事態宣言の再発令に伴い全世界から外国人の新規入国を原則制限したことで、日本全体の訪日客は7,400人と半年ぶりの1万人割れとなった。
18.6%
6.1pts
客室稼働率は18.6%となり、1月の12.5%からは6.1ポイントの上昇となった。また、日本人と外国人を合わせた総延べ宿泊数は前年同月比70.0%減、前々年同月比78.8%減となった。昨年2月時点で中国を中心とする外国人観光の需要が半減していたため、前年同月比と前々年同月比に差が生じていることに留意が必要である。
-66.1%
15.7pts
平均客室単価は11,080円となり、前年同月比1.1%減と小幅な動きに留まった。しかしながら、客室稼働率が大幅に低下したことで、客室収益指数は同66.1%減の2,061円と大きく下落した。京都市観光協会が提携するホテルデータサービス会社STRによると、前月に引き続き京都市内のホテルは価格を維持する戦略をとる施設が多かったと考えられる。宿泊予約サイトにおける販売価格の推移を見ると、桜を目的にした観光客が増える3月後半から4月前半の期間とゴールデンウィーク期間の価格が高くなっており、昨年5月の集計開始以降最も高い水準に達する見込みである。
スマートフォンの位置情報をもとに集計した2月の国内主要地点における日本人の滞在人口増減率を見ると、京都(四条河原町付近)は前年比20%減前後で推移した。3月1日に緊急事態宣言が解除されたことを受けて人出が増え、中旬以降は前年同時期を超える状況が続いている。ただし、前年3月後半時点で新型コロナウイルス感染症に対する懸念が高まり、日本人観光客の需要も減少の兆しが見え始めていたことによる影響があることに留意が必要である。
市内4百貨店における2月の免税件数は前年同月比98.0%減、免税売上額は同73.6%減となった。また、京都総合観光案内所の相談者数は同86.3%減となった。
インターネット上における京都観光への訪問意向に関するデータをもとに集計した「行こう指数」の2月の値は53.6となり、前月の56.2からわずかに下落した。市内主要ホテルにおける2月の実宿泊客数の指数は39.8となり、前月からは増加したものの、依然として「行こう指数」との乖離が13.8ポイントと開きがあることから、「行きたくても行けない状態」に置かれている人が相当数存在するとも考えられる。
3月1日に、京都では緊急事態宣言が解除されたが、21日まで不要不急の外出自粛が呼びかけられたことや飲食店などでの感染防止策の徹底が影響したためか、3月下旬時点では新型コロナウイルス新規感染者数は急増することなく推移している。3月後半には、統計開始以来最も早い桜の開花宣言がおこなわれたことで、桜を目的とした日本人の観光需要が前倒しとなることが予想され、3月の客室稼働率は予測値の25.2%を大きく上回る可能性がある。
一方で、感染力の高い変異ウイルスが世界的に拡大している事を受け、国土交通省は日本に就航する国際線について、3月8日から国内の航空会社には1週間あたりの旅客者数を3,400人まで、海外の航空会社には1便当たり100人までに抑えるよう要請したこともあり、引き続き外国人による訪日は限定的になると思われる。東京オリンピック・パラリンピックの海外からの一般観客の受け入れ中止も決定され、3月以降もインバウンド需要の回復の見通しはたっていない。
政府より「GoToトラベルキャンペーン」は4~5月の大型連休前に全国で再開するのが難しいとの認識が示された一方で、感染状況がステージ2以下の県において同一県内の旅行から段階的に支援を進める指針が発表された。長らく続いた自粛要請の反動や行楽シーズンの到来に備えて、引き続き感染症対策の徹底による安心・安全な旅行体験の提供が求められている。
京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。
なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義している。
※過去の調査結果はこちらからご覧ください。
調査対象期間(2021 年2月1 日~2月28 日)中、対象ホテルが臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出する。
例)100部屋を有するホテルが、以下のように営業をしていた場合
➀ 2月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 2月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 2月21日~28日の期間(8日)は休業
販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率 :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%
臨時休業日数 | 全日休業 (28日間) |
20日以上 28日未満 |
10日以上~ 20日未満 |
10日未満 | 休業なし |
施設数 | 8
(11.8%) |
2
(2.9%) |
2
(2.9%) |
0
(0.0%) |
56
(82.4%) |
(参考)68ホテルにおける2021年2月(2月1日~2月28日)の臨時休業状況
本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。
ただし、P12のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。
京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなる。
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