京都市観光協会データ月報(2020年12月)

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2021. 01. 28
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データ月報

調査結果のポイント

日本人延べ宿泊客数は、11月とは一転して前年割れに

-7.7%

50.5pts

京都市内主要ホテル68施設における2020年12月の日本人延べ宿泊客数は、前年同月比7.7%減となった。新型コロナウイルス感染症の第3波への警戒感が高まり、GoToトラベルキャンペーンの利用自粛・適用停止が相次いで決まったことで、11月の同42.8%増という好況から大きく転じて前年割れとなった。

外国人延べ宿泊客数は9ヶ月連続でほぼゼロに近い数字が続く

-99.6%

0.1pts

外国人延べ宿泊客数は、同99.6%減の831人にとどまった。また、JNTOの発表によると、12月の訪日外客数(実人数)は同97.7%減の58,700人となり、11月から大きな変化は無かった。日本人と外国人を合わせた総延べ宿泊客数は同48.2%減となった。11月までは6ヶ月連続で回復が続いていたが、12月は日本人客が減少したことで、7カ月ぶりに前月から悪化する結果となった。

客室稼働率は9~10月頃の水準にまで落ち込み、再び厳しい状況となった

37.6%

25.6pts

客室稼働率は、前月(63.2%)よりも25.6ポイント低い37.6%となった。前年同月(76.8%)と比較しても39.2ポイント減と、低い水準である。客室稼働率が前月よりも低くなるのは8カ月ぶりであり、ようやく宿泊施設の経営維持に必要な水準に迫ろうかというところで腰を折られるカタチとなり、再び厳しい状況となった。

平均客室単価は前年同月と同水準を維持したものの、客室収益指数は前年を大きく下回る状況が続く

-45.6%

15.5pts

京都市観光協会が提携するホテルデータサービス会社STRによると、客室稼働率の落ち込みに伴って、客室収益指数も前年同月比45.6%減となった。一方、平均客室単価(ADR)は前年同月とほぼ変わらない水準を維持した。GoToトラベルキャンペーンが一時停止になった後、高価格帯の宿泊施設を中心に価格調整が積極的には行われず、客室単価の変動は小幅にとどまった。

免税件数、免税売上とも大幅減が続く

-99.1%

0.6 pts

市内4百貨店における12月の免税件数は前年同月と比較して99.1%減少し、これに伴い免税売上額も同92.4%減となった。また、京都総合観光案内所の相談者数も同65.6%減となった。

11月には高い価格水準であった客室販売価格も、12月は落ち着く

宿泊予約サイトにおける市内宿泊施設の客室販売価格は、11月に紅葉を目当てにした観光需要を受けて高い価格水準で推移したが、12月は比較的落ち着いた相場となった。

GoToトラベルキャンペーンの利用自粛要請により、12月の入洛状況は前年同月比3割減

-29.2%

5.0 pts

スマートフォンの位置情報をもとに集計した12月の京都駅周辺の人出は前年同月比29.2%減となり、前月から4.0ポイント下落した。来訪者の居住地域別に分析すると、GoToトラベルキャンペーンの全国一斉停止に先駆けて、利用自粛要請の対象となった地域(札幌、東京、名古屋、大阪、広島)を中心に、12月の前年同月比が11月と比べて下落していることから、GoToトラベルキャンペーンの利用自粛要請の影響が表れていると考えられる。

1月8日頃から感染者が減少傾向、引き続き感染拡大には警戒が必要

京都市内の発症日基準の感染状況は、1月8日頃から減少傾向となっている。感染経路不明者数や、市外で確認された感染者由来での感染者数が、全体の感染者数に占める割合は減少傾向にあり、緊急事態宣言の発令による往来の自粛によって、感染経路が限定されつつあると考えられる。今後も、経済活動を維持しながら感染の流行を最小限に留める努力が求められる。

GoToトラベルキャンペーンの全国一斉一時停止により、年末年始の宿泊予約の6割がキャンセル

12月14日に「GoToトラベルキャンペーン」の全国一斉一時停止(12/28~1/11)が発表されたことで、年末年始の宿泊予約の63.0%がキャンセルとなった(京都市観光協会「2020年年末年始の京都市内観光の動向に関する臨時調査結果(1月12日発表)」より)。さらに、1月14日から京都府においても緊急事態宣言が発令されたことにより、飲食店における時短営業や、不要不急の外出自粛が求められている。観光業界にとって1月は非常に厳しい状況が続いており、各種指標が12月から悪化することは避けられない見通しである。

1月の客室稼働率の予測値は12月を下回る見込み

29.9

調査対象施設の一部における、事前の客室予約状況のデータをもとにした予測によると、2021年1月の客室稼働率の予測値は29.9%となり、12月を下回る見込みである。今のところ、2月以降はさらに下落する予測となっており、春の行楽シーズンに向けた需要の底上げが必要な状況と言える。

緊急事態宣言の発令を受けて、一部の宿泊施設で休業が行われる

83.5

緊急事態宣言の発令を受けて、一部の宿泊施設において休業等が行われている。京都市内の主なホテルを対象とした調査によると、総客室数のうち予約可能な客室数が占める割合は83.5%まで縮小している。緊急事態宣言の解除が予定されている2/8以降も、総客室数の1割相当で休業等が続く見通しである。

早ければ2月下旬からワクチン接種開始、春以降の需要回復に期待

新型コロナウイルス感染症の感染者数が世界で1億人を超え、新たな変異株の感染拡大も不安視されている。日本では11月から11ヶ国を対象に入国緩和が行われていたが、国内の緊急事態宣言の発令に伴い、これらの緩和措置が一時停止となっている。11月から一部の国でワクチンの接種が始まり、日本でも手続きが順調に進めば2月下旬にも接種が始まる予定であることから、今後の需要回復が期待される。

調査概要

(1) 全体概要

京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。

なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義している。

※過去の調査結果は当協会ウェブサイトに掲載

(2) 対象ホテル

  • 68ホテル 14,081室(2020年12月現在)
    ※京都市内ホテルの客室数ベースで約4割をカバー(京都市観光協会調べ)
    ※調査結果における前年実績は、今回の調査に合わせて調査対象施設から新たに提供を受けた数値である。
    したがって、前年と本年では対象ホテル数・客室数が異なるため、今回発表の前年数値(2019年12月)は昨年の発表数値とは必ずしも一致しない。※P11の客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記68ホテルとは対象が一部異なる。

(3) 分析数値

  • 「販売可能客室数」・・・日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
    例)100部屋を有するホテルにて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
    販売可能客室数:80室×30日=2,400室
  • 「客室稼働率」・・・「販売可能客室数」における「稼働客室数」の割合
  • 「外国人比率」・・・「総延べ人数」における「外国人延べ人数」の割合
  • 「構成比」・・・「外国人延べ人数」における「各国・地域の延べ人数」の割合
  • 「伸率」・・・「前年の各国・地域の延べ人数」に対する「本年の各国・地域の延べ人数」の伸率

(4) 新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う臨時的な休業の扱いについて

調査対象期間(2020 年12月1 日~12月31 日)中、対象ホテルが臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出する。
例)100部屋を有するホテルが、以下のように営業をしていた場合

➀ 12月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 12月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 12月21日~31日の期間(11日)は休業

販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率   :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%

臨時休業日数 全日休業
(31日間)
20日以上
30日未満
10日以上~
20日未満
10日未満 休業なし
施設数 3

(4.4%)

1

(1.5%)

0

(0.0%)

0

(0.0%)

64

(94.1%)

(参考)66ホテルにおける2020年12月(12月1日~12月31日)の臨時休業状況

(5) その他

本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。

ただし、P11のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。

京都観光総合調査との関連について

京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなる。

調査レポートのダウンロード/分析ダッシュボード

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