京都市観光協会データ月報(2020年7月)

UPDATE :
2020. 08. 31
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データ月報

調査結果のポイント

日本人延べ宿泊客数は前年同月比の約5割まで回復

-50.1%

26.3pts

京都市内61ホテルにおける2020年7月の日本人延べ宿泊客数は、新型コロナウイルス感染症の影響により前年同月比50.1%減となったものの、前月からは26.3ポイントの回復となり、2カ月連続で改善している。6月19日以降、全国的に都道府県を跨ぐ移動や旅行も解禁されたことに加え、国や京都市における消費喚起キャンペーンの開始や、昨年は3日間だった連休が4日間となったこと等が影響したと考えられる。

外国人延べ宿泊客数は4ヶ月連続でほぼゼロに近い数字に

-99.8%

0.1pts

外国人延べ宿泊客数は、前年同月比99.8%減の579人となり、全ての国・地域において外国人の宿泊がほぼゼロとなる状況が4ヶ月にわたり続いている。日本全体でも外国人客の入国はほぼゼロとなる状態が続いており、JNTOの発表によると、7月の訪日外客数(実人数)は前年同月比99.9%減の3,800人となり、10ヶ月連続で前年同月を下回った。
日本人と外国人を合わせた総延べ宿泊客数は同78.6%減となり、2ヶ月連続で改善している。また、外国人比率は前年同月より56.9ポイント低い0.5%となり5ヶ月連続で単月としての最低値を更新した。

日本人客の需要回復にともない客室稼働率は微増傾向

20.1%

4.6pts

客室稼働率は、前月(15.5%)よりも4.6ポイント高い20.1%となった。営業を再開するホテルが増えたことで販売可能客室数が増えつつも、客室稼働率は3ヶ月連続で前月を上回っていることから、宿泊需要は徐々に回復している。とはいえ、前年同月と比較すると57.0ポイント低い値であり、ホテルにとっては依然として厳しい水準が続いている。

客室収益指数(RevPAR)は3ヶ月連続で減少幅が改善

-77.0%

8.1pts

京都市観光協会が提携するホテルデータサービス会社STRによると、京都市内における客室稼働率(OCC)は前年同月比74.6%減、平均客室単価(ADR)が同9.4%減となったことで、客室収益指数(RevPAR)は同77.0%減少した。RevPARの前年同月からの減少幅は2020年4月以降3ヶ月連続で縮小しており、需要に回復傾向が見られる。
調査対象の他都市と比較すると、ADRの減少幅は2ヶ月連続で最小となっており、京都においては各施設がブランドを守りながら経営を続けていることが示唆された。

免税売上は大幅減が続き、総売上は前月並の水準

-98.4%

0.8 pts

海外渡航者の入国制限が続いているため、7月の免税件数は前年同月と比較して99.4%減少し、これに伴い免税売上額についても同98.4%減と低水準が続いている。日本人を含む総売上は同23.1%減と、下落幅は前月(同22.6%減)と同程度で推移した。

ビッグデータによると、7月の来訪者者数は横ばいが続き、目立った増加は無かった

ビッグデータをもとにして京都市が発表する来訪者数や交通機関の利用状況の推移によると、7月は、6月末に急増した際の水準を上回ることなく横ばいが続き、4連休期間も目立った増加は無かった 。7月22日からは国が主導する全国的な観光振興キャンペーン「Go To トラベル」が開始されているが、ビッグデータに基づく京都駅の来訪者の内訳は、京都府を中心とした近畿地方からの割合が大半を占める状況が続いている

検索・予約動向は低調が続くが、客室販売価格は上昇の兆し

日本人の国内観光および外国人の訪日観光に関する予約や検索の動向は、お盆期間に一時的に改善し、とくに航空予約は前年比40%減の水準にまで回復した模様である。しかしながら9月以降は、航空が前年比約90%減、宿泊も同約70%減と落ち込みが続く見通しである。先行きが不透明なことから、旅行直前まで検索や予約を行わない人が多く、事業者側にとっては収益の予測が難しい状況が続く。しかしながら、10月以降の予約サイトにおける販売価格はお盆期間に匹敵している。宿泊施設がGo To トラベル キャンペーンの効果を期待していることで、客室販売価格の底上げが起こっているものと考えられる。

調査概要

(1) 全体概要

京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。

なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義している。

※過去の調査結果は当協会ウェブサイトに掲載

(2) 対象ホテル

  • 61ホテル 12,776室(2020年7月現在)
    ※京都市内ホテルの客室数ベースで約4割をカバー(京都市観光協会調べ)
    ※調査結果における前年実績は、今回の調査に合わせて調査対象施設から新たに提供を受けた数値である。
    したがって、前年と本年では対象ホテル数・客室数が異なるため、今回発表の前年数値(2019年7月)は昨年の発表数値とは必ずしも一致しない。※P10の客室収益指数(RevPAR)等の数値は、ホテルデータサービス会社STR(本社:イギリス・ロンドン)からの提供によるもので、上記61ホテルとは対象が一部異なる。

(3) 分析数値

  • 「販売可能客室数」・・・日々販売されている客室数の月間累積値を示す。
    例)100部屋を有するホテルにて、20室が改装工事中、80室を30日間販売していた場合
    販売可能客室数:80室×30日=2,400室
  • 「客室稼働率」・・・「販売可能客室数」における「稼働客室数」の割合
  • 「外国人比率」・・・「総延べ人数」における「外国人延べ人数」の割合
  • 「構成比」・・・「外国人延べ人数」における「各国・地域の延べ人数」の割合
  • 「伸率」・・・「前年の各国・地域の延べ人数」に対する「本年の各国・地域の延べ人数」の伸率

(4) 新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う臨時的な休業の扱いについて

調査対象期間(2020 年7 月1 日~7 月31 日)中、対象ホテルが臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出する。
例)100部屋を有するホテルが、以下のように営業をしていた場合

➀ 7月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 7月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 7月21日~31日の期間(11日)は休業

販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率   :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%

臨時休業日数 全日休業
(31日間)
20日以上
30日未満
10日以上~
20日未満
10日未満 休業なし
施設数 5

(8.2%)

1

(1.6%)

0

(0.0%)

0

(0.0%)

55

(90.2%)

(参考)61ホテルにおける2020年7月(7月1日~7月31日)の臨時休業状況

(5) その他

本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。

ただし、P10のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:加藤)までお問合せください。

京都観光総合調査との関連について

京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなる。

調査レポートのダウンロード/分析ダッシュボード

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