訪日インバウンドの事実上の停止から1年、外国人観光客を見かけない、2回目の桜の時期を迎えた。ワクチンの接種が各国で始まる一方で、新たな変異株の発生や東京オリンピック・パラリンピックでの外国人観戦客の受入断念等、観光産業を取り巻く状況に見通しは立たない状況となっている。
新型コロナウイルス感染症対策による旅行や外出、飲食、会合等の制限が長引くにつれ、消費者の間では、いわゆるニューノーマルと言われる生活スタイルの拡がりに加え、コロナ禍前までは当たり前に行ってきたことに対しての回帰と、相反する行動スタイルの共存が観察されるようになった。
サービス提供側においても、1年が経過し、新型コロナ対策とニューノーマルへの対応、新型コロナ前の提供サービスの再開の両立に試行錯誤し、提供サービスの違いが顕著になってきている。長期化により、消費者はサービス提供側の対応を比べる機会が増加しており、対応への目が肥え、求める水準も高まっていると考えられる。この1年で、筆者が体験したサービスの事例から、アフター・コロナに向けての対応を考えていきたい。