~茶道、聞香、着付け、華道の基礎知識を得る~

宿泊税を活用し、宿泊施設従業員向け「歴史・文化体験研修」を実施

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宿泊税を活用し、宿泊施設従業員向け「歴史・文化体験研修」を実施

公益社団法人京都市観光協会では、平成30年度より、宿泊施設従業員向け歴史・文化体験研修を京都市とともに実施しています。本事業は、宿泊施設の従業員の方々等に対し、京都の文化などについての基礎知識を学習する機会を提供することで、勤務する施設でのおもてなし向上につなげていくとともに、受講者自らが更なるスキルアップを目指してもらうことを目的に、京都市宿泊税を活用し行っているものです。
令和3年度には文化庁の京都移転も予定され、文化への注目度がますます高まっている中、茶道、華道、聞香、着付けの4つのテーマで、9月〜10月にかけて研修を行いました。

「立ち居振る舞い」から「お点前」までを実践形式で学習  ~茶道研修~

裏千家協力のもと、裏千家茶道会館にて茶道史やお茶の精神である「和敬清寂」の意味など、講義やDVDの視聴を通じて学びました。その後、裏千家業躰の方々によるデモンストレーションを見学し、一つ一つの所作の美しさに感動。最後は参加者同士、お茶を点てあい、あっという間に3時間の研修は終了しました。

 

参加者の声

  • 気軽に質問ができ、楽しく感じました。ぜひ、プライベートでも学習したいです。
  • 今後の人生の中で役立ち、活かせる振る舞いや考え方を学べました。
  • お茶に倣い、謙虚な姿勢をどんな時でも忘れないようにしたいです。
業躰によるデモンストレーション・お菓子のいただき方を教わります 
  業躰によるデモンストレーション       お菓子のいただき方を教わります 
茶道具について、丁寧に説明いただきます・お互いにお茶を点て合いいただきます
 茶道具について、丁寧に説明いただきます     お互いにお茶を点て合いいただきます

創業300余年の老舗で組香チャレンジ ~聞香研修~

「香道」は「茶道」と「華道」とならぶ日本三芸道の一つ。今回の研修では、和歌や物語文学の世界を主題にし、現代の香道で主流の「組香」を、創業300余年の老舗・松栄堂で体験しました。いくつかの香木の香りを「聞いて」、その香りの異同を判じる「組香」。参加者は日々の喧噪から離れ、雅なひとときに酔いしれました。

 

参加者の声

  • はじめての組香でしたが、とても面白かったです。
  • 雑踏の外に身を置けた気分になりました。
  • 真剣に香りに向き合うことで、自身の感覚が研ぎ澄まされました。
  答えを書くために硯で墨を磨ります・静寂の中、所作のひとつひとつに注目
    答えを書くために硯で墨を磨ります     静寂の中、所作のひとつひとつに注目
順番に香を「聞き」、回答していきます・畑社長による講義
  順番に香を「聞き」、回答していきます     畑社長による講義

重要文化財で和装体験 ~着付け研修~

着付け研修は、重要文化財「旧三井家下鴨別邸」を会場に、1人で着物を着られるようになることを目標に、襦袢の着方、帯の結び方、畳み方まで基本的なことを学びました。着付けたあとは、施設内を自由に散策。着物が似合う建物でもあることから、着物の楽しさを実感してもらいました。

 

参加者の声

  • 難しかったですがとても勉強になりました。着物を着ようと思います。
  • お客様の着付けのお手伝いに役立ちます。
  • 着物と帯に分かれて教えていただき細かく理解でき良かったです。
  • 旧家の素晴らしい建物で着付けを習うことができたのは貴重な体験でした。
まずは小物一つ一つを確認します・帯の結び方を繰り返し学びます
  まずは小物一つ一つを確認します      帯の結び方を繰り返し学びます
畳み方までしっかり教わります・最後は建物の前で記念撮影
    畳み方までしっかり教わります          最後は建物の前で記念撮影

発祥の地で学び、体験 ~華道研修~

華道・家元である池坊の協力を得て実施。聖徳太子が沐浴したという池のほとりに住坊を構えたことに名前の由来がある「池坊」。聖徳太子創建の六角堂を見学したあと、資料館でいけばなの歴史を学び、実際にお花を生ける体験を行いました。

 

参加者の声

  • 華道は難しいと敬遠していましたが、私でも分かりました!
  • いけばなの歴史や日本人の感性や美意識なども学べたうえに、実技もあり大変有意義でした。
  • 職場や家で早速実践してみます!

 

六角堂の見学・道具やお花の扱い方などの講義
    六角堂の見学             道具やお花の扱い方などの講義
各自思い思いにいけます・先生の手直しで完成です
    各自思い思いにいけます          先生の手直しで完成です

歴史・文化への想いが強い、京都の観光事業者

4種の歴史・文化体験研修を終えて感じたことは、一様に歴史・文化への関心が非常に強いということ。どの参加者からも、お客様へのおもてなしの一つとしてだけではなく、自らの教養やスキルアップとして身につけたいという情熱を感じました。そして、今後の研修開催についても、参加者全員の方から「継続希望」の声をいただきました。
宿泊施設の従業員の方は、シフト制勤務が多く、固定の曜日に習いごとに通い続けるのは難しい点もあり、こうした1回完結型の研修は受講ニーズが高いのかもしれません。京都市観光協会では、事業者の皆様の声を聞きながら、今後も当研修の充実を図ってまいります。

 

京都市観光協会 受入環境整備課 桒田 扶美

宿泊施設従業員向け歴史・文化体験研修 開催概要

実施日:
茶道  令和元年9月17日、18日(全2回) 協力:裏千家
聞香  令和元年9月24日、27日(全2回) 協力:株式会社松栄堂
着付け 令和元年10月2日、3日(全4回)  協力:公益財団法人京都和装産業振興財団
華道  令和元年10月7日、8日(全2回)  協力:華道家元池坊

参加者:京都市内の宿泊施設、観光関連事業の従業員 計150名

主 催:京都市、公益社団法人京都市観光協会

共 催:公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー

協 力:京都府旅館ホテル生活衛生同業組合

後 援:京都商工会議所

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