令和6年度 秋の観光課題対策(時間・場所の分散化の推進)~新規観光コンテンツの販売開始~
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公益社団法人京都市観光協会では、公益財団法人大学コンソーシアム公益財団法人京都及び京都文化交流コンベンションビューローと共に、京都の国際観光の更なる活性化を図るため、留学生と市内の観光事業者のマッチングを目的とした「留学生向け京都の観光業界・就職面談会2019」を7月3日に開催いたしました。
4年目の開催となる今回は、中国、台湾、ベトナム、オランダ、ドイツ、カナダ等16ヶ国・地域の留学生約100名が参加し、宿泊施設、旅行会社、デザイン会社など市内で観光に携わる多種多様な16の事業者が一堂に集い活発なマッチングが行われました。
1社平均22名の留学生との面談が行われ、参加されたすべての事業者から「満足」、「次回も参加したい」等の回答があったほか、「今後も定期的に開催して欲しい」、「採用に向けて大変勉強になった」との声を頂き、盛況のうちに終了しました。
また、初めての試みとして、参加した留学生を対象に、京都での就職活動についてのアンケート調査も行いました。人手不足が叫ばれるなか、留学生を採用するにはどうすればよいか。調査から浮かび上がったポイントを紹介します。
就職の際に人気を集める企業=有名企業のイメージが強いかもしれません。しかし、アンケートの結果では「就職先企業を選ぶ際に重視する点は何ですか」という質問に対し、「有名企業」を選ぶ留学生は僅か4.2%。一方、「将来性を感じる」企業を選ぶ留学生は 62.0%と最も多く、その他、「待遇が良い」(52.1%)、「自分の専門を生かせる」47.9%などの回答が多く選ばれており、「安定感」や「自分がどれだけ貢献できるか」も重要なポイントになっていることが伺えました。
また、「企業を研究する上で、最も知りたい情報は何ですか」という質問には、「外国人の採用実績」(63.4%)、「社内の雰囲気」(52.1%)、「仕事の内容」(50.7%)の順で回答が多くなり、「採用方法」(39.4%)、「採用予定人数」(28.2%)、「求める人材像」(21.1%)といった採用に関する基本情報については、比較的ニーズが低くなる傾向が見られました。 この結果から採用の基本情報はもとより、外国人向けの受入体制の整備や仕事の価値観への関心が高いことがわかりました。
「仕事で活かしたい強みは何ですか」という質問では、「語学力」が71.8%と最も多くの回答を集めました。しかし、本質問は複数回答となっており、語学力を選んだ学生においても8割以上が、語学の他に活かしたいスキルとして、コミュニケーション力(45.1%)、分析力(25.4%)、企画力(23.9%)、パソコンスキル(18.3%)、デザインスキル(16.3%)などを回答しており、語学に加えて、日本での留学経験から成長できた資質や能力も評価してもらいたいと考える留学生が多いことが浮き彫りになりました。
また、「興味のある職種は何ですか」を調査したところ、「通訳・翻訳」(62.0%)に次いで、企画(35.2%)、接客業(31.0%)、広報(23.9%)、WEBデザイナー(22.5%)、マーケティング(21.1%)となり、通訳・翻訳が1位とはなりつつも、語学だけではない、様々なスキルを身に着け、幅広く活躍したいと考える留学生の姿が感じられました。
日本の就職活動について外国人留学生がどう思っているかを調査した、「日本の就職活動で不思議と思った制度や習慣は何ですか?」という質問では、1位は「内定までの段階が多い」(46.5%)、2位は「就職活動の時期が早い」(42.3%)、3位は「あらかじめ職種が分からない」(16.9%)という結果になりました。日本では当たり前になっている制度でも、外国人留学生から見ると“驚き”が多いという現状が読み取れます。
また、「日本で働くにあたって不安と感じることは何ですか」を尋ねたところ、「日本語」(56.3%)、「日本のビジネス文化」(53.5%)、「人間関係」(26.8%)の順に多くの回答が得られ、日本での就職に関して、言葉や文化の壁に不安を感じている留学生が多い現状がうかがえました。一方で、一般的に気にされがちな、労働時間(11.3%)、昇進条件(11.3%)、自身の家族(12.7%)と回答した人の割合は少ない結果となりました。
以上のことから、観光業界で、留学生を採用、活かしてもらうために大切と考えられる3つのポイントをまとめました。
安定志向が強く、また職場に自分が溶け込めるかを重視する今どきの留学生。そのような留学生をきちんと取り込むには、職場の環境が体験できるインターンシップを活用したり、社内の雰囲気が肌で感じられるよう、定期的に社内見学を実施したりすることで、安心して働ける職場であることをアピールすることなどが重要かもしれません。
留学生を、通訳・翻訳の即戦力として採用したい企業が多いかもしれません。もちろん、語学は留学生の非常に大きな武器ではあります。しかし、留学生は語学力だけではなく、自分の専門知識も重要なポイントとして、仕事に活かし、貢献していきたいと思っている場合も非常に多いことが明らかになりました。留学生を採用する際には、それぞれの留学生が、日本での留学を通じて学んだ分野などにも目を向けて頂けると、留学生の心を強くつかめるかもしれません。
今回の調査を通じて、私たちが思っている以上に、留学生にとって、日本での就職は難しく、不安なものであることが、改めて感じられました。日本での就職の不安を解消する手段として、外国人留学生が最も知りたい就職情報を公開し、留学生専門の採用時期・採用手法を別に設け、相談できる窓口等を新設することなどが効果的かもしれません。
今回のアンケート調査では、「観光業に興味ある」(80.3%)、「京都で働きたい」(73.2%)と回答した留学生が多く、昨今課題となっている観光業界の人手不足解消に、留学生の採用が大きな転換点をもたらす可能性も感じられました。また、留学生の中には、複数の語学をマスターしていたり、語学に加えて高度な専門性を持つ人も多く、面談会に参加頂いた企業の方からは「こんなに優秀な人が多いとは思わなかった」といったコメントも数多く頂きました。確かに留学生を採用していくには、多くの準備や対策が必要かもしれませんが、逆にその部分を丁寧に行うことで、優秀な人材をうまく獲得して頂くチャンスも生まれてくるかと思います。是非、皆様も留学生の積極的な採用にチャレンジしてみてください!
京都市観光協会 受入環境整備課 仲
京都情報大学院大学 陳 子伊さん(中国)
6つの会社をまわり、自分の理想に近い企業のイメージも浮かび上がってきましたので、今後の就職活動にとても役に立ちました。
京都女子大学 黄子諭さん(台湾)
留学生採用の企業を一堂に集め、それぞれ職場の待遇や仕事内容等具体的なことを直接にきけたので、安心しました。
京都大学 ガブリエルさん(パラグアイ)
今まで知らなかった企業もたくさん出会ったので、就職活動の幅を広げる良い機会でした。
京都外国語専門学校 タイザさん(ブラジル)
和やかな雰囲気で興味のある企業と気軽に話ができ、日本での就職に対する不安も解消できたので、留学生の皆さんにおすすめします。
開催概要
【日 時】2019年7月3日(水) 17:00~20:00
【場 所】キャンパスプラザ京都 2階ホール
【参 加 者】2019年9月、2020年3月卒業・修了予定の留学生 約100名
【参加企業】京都市観光協会 協会会員・京都文化交流コンベンションビューロー賛助会員16社
アーバンホテルシステム株式会社、アミタ株式会社京都ハンディクラフトセンター、株式会社エム・ワイ・ケイエンタープライズ、観光日本株式会社、クロスホテルズ株式会社クロスホテル京都、株式会社JTB、ジェイピーモバイル株式会社、秀和株式会社、翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル京都、WHG関西株式会社 ホテルグレイスリー京都三条、中央観光株式会社、株式会社フクナガ、株式会社フィールド、豊彩株式会社(京都着物レンタル夢館)、株式会社松井旅館本館、株式会社レアル (アルファベット五十音順)
【主 催】公益社団法人京都市観光協会、公益財団法人大学コンソーシアム京都、公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー
【共 催】京都府・京都市
【後 援】京都ジョブパーク
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