概要
外国人宿泊状況をタイムリーに把握できるよう、平成 26 年(2014 年)4 月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。
なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義している。
+188.7%
ラグビーワールドカップ2019日本大会(9月20日~11月2日)の開催により、京都58ホテルにおいて、欧・豪を中心とする、大会出場国の市場が9月に引き続き顕著に拡大した。9月・10月期間を累計した延べ宿泊客数の伸率においては、全ての出場国(当データ月報の調査対象国に限る)で増加し、特にベスト8に進出したニュージーランド(前年同期比188.7%増)やイギリス(同92.7%増)では、調査開始以来、同国において最も高い伸率を記録した。
京都総合観光案内所(京なび)の利用客数においても、多くの出場国において伸率が増加する傾向がみられ、10月は、調査開始以来単月として初めて、欧州の利用者数がアジアの利用者数を上回った。また、ラグビー期間に開設した臨時案内所では、試合開催日よりも、開催のない日の方が、外国人利用者数が多い傾向がみられた。
京都では、ラグビーワールドカップ2019日本大会を通じ、試合の開催こそなかったものの、大会を目的に訪れた外国人による観光需要や日本での滞在拠点としてのニーズを、大きく獲得できたと言える。今後予定される「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」や「ワールドマスターズゲームズ2021関西」等のスポーツイベントをはじめ、あらゆる機会をとらえ、観光需要の取り込みを図り、持続可能な観光振興に努めていきたい。
50.0%
同大会に関する臨時アンケートにおいても、「昨年と比較して出場国客の宿泊数が長かった」(54.0%)、「客室単価が高かった」(50.0%)とする回答結果が得られ、多くのホテルがラグビー需要を感じていることが明らかになった。また、上記傾向は、相対的に客室単価が高いフルサービス型では、両項目とも83.3%と顕著であったことから、ラグビーワールドカップの開催を機に京都に滞在した出場国客には、観光消費額の高い層が多く含まれていたことが伺える。
出場国客によるレストラン、ラウンジ、バーの利用率が高かったという声も多く寄せられた。大会期間中、外国人観光客に特典等のサービスを提供する飲食店などを紹介する特設サイト「Kyoto Welcomes Rugby Fans」の取組等にも後押しされ、ラグビー需要による観光消費拡大は、宿泊費のみにとどまらず、飲食費などにまで広く波及したと考えられる。
52.2%
5.4 pts
2019年10月の外国人比率は、前年同月を5.4ポイント上回る52.2%となり、調査開始以来10月として初めて50%を上回った。
客室稼働率は86.3%となり、前年同月を2.1ポイント下回ったが、ラグビー需要に加え、「全国産業安全衛生大会」等、参加者数が1,000名を超える大型の会議・学会が複数開催されたことも追い風となり、直近1年の中では、桜シーズン(3月、4月)、紅葉シーズン(11月)に次いで4番目に高い数値となった。
(参考)10月に開催された参加者数が1,000名を超える会議・学会
・第78回全国産業安全衛生大会(約11,000名)10/23~25
・第73回日本臨床眼科学会(約6,000名)10/24~27
・アジア太平洋白内障屈折矯正手術学会(約1,500名)10/3~5
・科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)第16回年次総会(約1,400名)10/5~8
・第40回日本アフェレシス学会学術大会/第12回国際アフェレシス学会学術大会(約1,100名)10/18~20
1.4%
2.4 pts
韓国からの延べ宿泊客数は、日本全体が前年同月比65.5%減、京都58ホテルは同55.6%減と、日韓情勢等を背景に、9月(日本全体:同58.1%減/京都:同49.9%減)、8月(日本全体:同48.0%減/京都:同37.8%減)を上回る減少幅となった。京都においては韓国市場のシェアは相対的に低く、構成比では、3.8%から2.4ポイント減の1.4%であることから影響は限定的といえるが、引き続き、今後の動向を注視していきたい。
中東市場は、ユダヤ教の三大祭りの一つである仮庵の祭(スコット)による休暇時期が、昨年の9月から本年は10月になったことで、前年同月比159.8%増と大幅に拡大した(9月は前年同月比51.7%減)。
-2.9%
日本人延べ人数は前年同月比2.9%減と、2019年1月以来、9ヶ月ぶりに前年同月を下回った。10月12日に上陸し、東日本に甚大な被害をもたらした「台風19号」等の自然災害や消費税増税による旅行需要の低下に加え、ラグビーワールドカップの影響により早いタイミングから外国人観光客による客室の確保などが進んだことで、宿泊予約がしづらかったことも影響していると考えられる。
-8.2%
京都市観光協会が提携するSTRの調査結果によると、客室稼働率(OCC)は前年同月比で4.1%低下し、それに伴い平均客室単価(ADR)が同4.3%低下したことで、客室収益指数(RevPAR)は同8.2%低下する結果となった。ラグビー需要があったものの、新規ホテルの開業等による供給拡大に伴い、供給が需要を上回る状況が発生していることが考えられるが、2019年6月以降、拡大傾向にあった平均客室単価(ADR)の減少幅に回復傾向が見られたことから、需要と供給のギャップが徐々に緩和に向かっている可能性も伺える。
-22.3%
市内4百貨店における免税売上額は前年同月比22.3%の減少となった。10月1日~7日の国慶節期間の反動で、中旬以降に売上が減少したことなどが原因として考えられるが、引き続き動向を注視したい。
外国人宿泊状況をタイムリーに把握できるよう、平成 26 年(2014 年)4 月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。
なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義している。
本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。
ただし、P10のSTRデータについては、書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられております。報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:加藤)までお問合せください。
京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年 1 回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するため、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなる。
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