京都市では,国土交通省近畿運輸局を事業実施主体として,公益社団法人京都市観光協会及び地域の皆様との協力の下,昨年,紅葉時期の嵐山地域において,日本で初めてWi-Fiアクセスデータを活用して観光需要を予測し,「観光快適度」の見える化を通じて,快適に観光できる時間帯への訪問や周辺エリアへの回遊を促す,観光需要の分散化に係る実証事業を行いました。
この度,本実証事業の結果について,下記のとおり取りまとめましたのでお知らせします。
京都市では,国土交通省近畿運輸局を事業実施主体として,公益社団法人京都市観光協会及び地域の皆様との協力の下,昨年,紅葉時期の嵐山地域において,日本で初めてWi-Fiアクセスデータを活用して観光需要を予測し,「観光快適度」の見える化を通じて,快適に観光できる時間帯への訪問や周辺エリアへの回遊を促す,観光需要の分散化に係る実証事業を行いました。
この度,本実証事業の結果について,下記のとおり取りまとめましたのでお知らせします。
(1)訪問時間の分散化
(2)地域の多様なエリアへの誘客
(3)観光客の観光満足度の低下抑制
⇒混雑を気にする方の満足度低下の抑制につながったと考えられます。
本実証事業で得られた成果を踏まえ,京都市及び(公社)京都市観光協会が主体となり,民間事業者のノウハウも活用しながら,観光需要の分散化を図るため,ウェブサイト上での「観光快適度の見える化」の本格実施に向けて検討してまいります。
観光快適度を表示した専用ウェブサイト「嵐山快適観光ナビ」(開設期間平成30年11月10日~12月17日)の利用状況は以下のとおりでした。
アクセス数:22,623(本サイトへの訪問者数)
ページビュー数:156,307(本サイト上で訪れたページ数)
また,嵐山地域で実施期間中に実施したアンケート調査によると,広報期間が短かったにも関わらず,嵐山を訪問した観光客の1割程度が嵐山快適観光ナビを認知し,その3割程度の方の利用がありました。
嵐山快適観光ナビを利用された方について,観光快適度を提供することで,観光客の旅行計画に対して,「混雑する時間を避ける(47%)」,「空いている場所を訪問する(10%)」などの行動変容を促せる傾向がみられました(図表1)。
実験期間中,観光客が集中しやすいエリアで訪問時間の分散化の傾向(観光客数のピーク時における減少と早朝・夕方の時間帯における増加)がみられました(図表2)。
(注)
実験前 平成30年10月6日~11月9日
実験中 平成30年11月10日~12月7日
実験中(花灯路)平成30年12月8日~12月17日
観光客が集中するエリアに比べ,それ以外の周辺エリア(化野念仏寺,大覚寺,二尊院,常寂光寺,松尾大社)を訪れた人の方が,本サイトをきっかけに訪れている割合が多い結果となりました。観光快適度とおすすめ観光ルートの情報を併せて提供したことで,各エリアへの訪問意欲を高め,行先変容を促される傾向がみられました(図表3)。
観光スポットにおいて混雑を気にすると回答した観光客において,本サイトが「大変参考になった」,「参考になった」との意見が8割を超えていることから,混雑を気にする方の満足度低下の抑制につながったと考えられます(図表4)。