パネルディスカッションでは、ターゲットの考え方、実際にコンテンツが売れるようになるまでの期間や工夫、現在の課題等についてお話をうかがいました。ある程度軌道にのるまではある程度の時間がかかること、その一方で、お客様のニーズをふまえて変えるべき点は早めに変更・改良すること、地域内の事業者さんにもコンテンツを知っていただくことの重要性等を共有いただきました。
<販売時>
- 当初ターゲットに据えた市場と、実際にニーズのある市場が違った。
- 地域の特性(どういった旅行者が来ているか、活用できていない資源や時間帯はないか等)を分析し、現在足りていないコンテンツを企画
- 予約の〆切をできるだけ催行直前に設定
- 実際に動かしながら改良していくにしても、コンテンツそのものが面白いかどうかは重要。
<販売後>
- ターゲットの再設定とともに金額を上げていった。それによって、こちらが提供したいパフォーマンスを期待するお客様に購入いただけるようになった。
- ローカルな部分だけをコンテンツに組み込んでもお客様に響かなかったため、お客様の声や反応をみながら改良した。大きな問題や課題になる前に注意深く観察し、改良を加えている。
- 軌道に乗るようになるまでは2~3年かかった。トリップアドバイザー等の口コミの蓄積に伴って、エージェントやお客様からの予約が入るようになった。
- コロナ禍でガイドの育成をしっかりと行い、販売していただける地元の事業者さんに浸透させていったことで、2022年10月に外国人観光客が戻って来てからすぐに予約が入るようになった。口コミや紹介で参加して下さる方も多いため、県内の事業者さんに知っていただくことも重要。
- 高価格帯のコンテンツはエージェントが間に入ることが多いので、予約前のお客様の反応が把握しづらい。間に入って下さるホテルやエージェントさんがいかに共感していただけるかが重要。
- 手数料として出ていく分が大きいため利益率をいかに上げていくかが課題。
- たくさんの方に参加していただきたい想いもあるが、特別なものというスタンスも崩したくないため、そのあたりのバランスが悩み。
パネルディスカッションの後は、「ワールドカフェ」を実施。各パネラーが座る4つのテーブルを全員が回り、前半のパネルディスカッションの内容をさらに掘り下げた質疑応答や、他の参加者との意見交換が活発におこなわれ、会は終了しました。
参加者の皆様からは
「訪日外国人のリアルな関心ごとに触れることが出来たこと。また事業の改善や、情報発信の試行錯誤の話を聞けてとても参考になりました。」
「0から作り上げて成功するまでに改善の繰り返しは不可欠、また3年近い期間が必要ということがわかった。」
「京都でばかり考えていると視点が狭くなりかねないので他の都市のフレッシュな知見が得られて良かったです。」
「一方的に話を聞くだけではなく双方向に多くの方と話す機会がいただけたことは貴重でした。インバウンドと一口に言っても様々なニーズと嗜好があり、マーケティングときめ細かな対応が必要だと思いました。」
といった感想をいただきました。
「京都インバウンドカフェ」の開催は京都観光MICENewsletterでご案内しています。引き続きご注目ください。