事実上の鎖国が6月から解けた日本、訪日インバウンドの本格的再開に向けては、まだ少し時間がかかるが、光明が見えてきた。2022年1-3月期の「日本人」による国内旅行消費額は、2.2兆円、21年比では35.4%増と回復傾向にあるが、コロナ禍前の19年比では47.7%減と、約1兆円を失っている計算になる[i]。
この1兆円、19年1-3月期の訪日外国人旅行消費額の1.2兆円[ii]と偶然にも金額が一致するところである。鎖国を解き、訪日外国人による外貨獲得に舵を切ることは、日本経済の回復に向けても正しい判断であろう。なお、19年1-3月期の総旅行消費額(日本人、外国人消費の合計)は5.4兆円、22年同期は2.2兆円と、58.3%減である(図表1参照)。