訪日外国人(インバウンド)の増加によって、大きな恩恵を受けていた観光業界にとって、インバウンドがいつ戻るかということは大きな関心事項ではないかと思います。現時点で、訪日旅行が本格的に戻る時期を見通すことは残念ながら困難ですが、一部の国においては隔離期間などを設けずに国外旅行を再開していることに加え、トラベルバブルとワクチンパスポートという大きい2つの枠組みによって異なる国同士の旅行の再開が協議されています。
トラベルバブルとは、国内感染を押さえ込むことに成功している異なる二国間同士で旅行者の交流を再開する枠組みであり、オーストラリアとニュージーランド間や香港とシンガポール間で協議もしくは実施されています。一方、ワクチンパスポートはワクチンの接種が進み集団免疫を獲得した国同士での旅行を再開する枠組みであり、接種の進んでいる英国や米国などを中心に議論が進んでいます。しかしながら、日本が今の感染状況からトラベルバブルを目指すのは現実的ではありません。また、トラベルバブルの相手国からの訪日客を隔離期間なしで受け入れるためには、相手国側で感染が抑えられているだけでなく、ワクチン接種が進んでいる必要もあります。なぜなら、ワクチンには発症・重症化を大きく抑える効果は確認されているものの、感染自体を抑える甲かは未だに諸説があり確認できていないためです。
したがって、訪日受入が再開されるのは、ワクチンの接種が国内で進み集団免疫が獲得されるタイミングだと予想されますが、これも現時点でいつになるかは明確にはなっていません。京都においては、コロナ前から特定の国籍に限らずバランスよく多様な地域の旅行者をターゲットにして集客を行ってきましたが、旅行の再開に向けては、感染状況だけではなくワクチンの接種状況に応じて集客を進めていく必要があります。コロナ禍を経て、世界中の旅行者は、なお一層旅行したいと思うようになりっており、多くの国で日本の魅力は失われていません。とくに、ワクチン接種が進み旅行の再開が徐々に始まっている北米マーケットでは、弊社サービス上でも既に多くの観光地においてコロナ前を大きく上回る旅ナカ商品の予約が行われております。ただし、コロナ禍によって旅行者の旅行に対する考え方が変わった点もあるため、それらを踏まえて対策を行っていくことが重要です。
今回弊社が行った全31ページの詳細レポートから、コロナ禍を経た欧米の旅行者マインドの大きな6つの特徴と、どうすればこういった旅行者を取り込むことができるかについて紹介していきます。