24.9%
83.1pts
京都市内主要ホテル81施設における2021年3月の日本人延べ宿泊数は、前年同月比24.9%増となり、4か月振りに前年同月比がプラスに転じた。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響が表れ始めていた昨年3月との比較であることに留意が必要である。なお、前々年同月との比較では28.0%減であった。
-91.5%
8.0pts
外国人延べ宿泊数は前年同月比91.5%減、前々年同月との比較では99.1%減となり、外国人観光客がほぼゼロの状態となって1年が経過した。
31.5%
12.9pts
客室稼働率は31.5%となり、2月の18.6%からは12.9ポイントの上昇となった。前年同月の29.3%からは2.2ポイント増となったものの、前々年同月からは53.4ポイント減であり、例年であればあるはずの春の行楽需要の多くが2年連続で失われてしまったことになる。
外国人客が激減したことで1部屋当たり宿泊客数は前年をやや下回る水準が続いている。ただし、日本人客のみで比較すると昨年夏以降は前年並みの水準が続いており、個人での利用が増えているといった傾向は見られなかった。
一人当たり宿泊日数も、外国人客が激減したことで前年同月を下回る状況が続いている。日本人客のみで比較すると年明け以降前年割れが続いており、新型コロナウイルス感染症の影響で滞在期間が短くなる傾向がみられる。ただし、GoToトラベルキャンペーンの対象が首都圏まで拡大された昨年10~12月は前年越えとなっており、滞在期間を延ばすためにはこれらの支援策が有効であると考えられる。
市内主要ホテルにおける3月の平均客室単価は13,284円となり、前年同月比6.6%増であった。宿泊予約サイトにおける市内宿泊施設の販売価格の推移を見ると、桜を目的にした観光客が増える3月後半から4月前半の期間とゴールデンウィーク期間の価格は2万円を超える水準に達したが、5月中旬以降は大きく下落し、6月以降は昨年夏頃の水準にまで低下している。
76.4
22.8pts
インターネット上における京都観光への訪問意向に関するデータをもとに集計した「行こう指数」の2021年3月の値は76.4となり、前月の53.6から22.8ポイント上昇した。昨年春にコロナ禍が生じて以来「行こう指数」は実宿泊客数を上回ってきたが、今回初めて「行こう指数」の方が下回る結果となった。2月末に緊急事態宣言が解除されたことによって「行きたくても行けない状態」に置かれていた人が旅行を決断したことで、指数の逆転が起こったと考えられる。
2020年度末時点の京都市内の宿泊施設の総客室数は56,183室となり、前年から約3,000室の増加となった。新規開業(営業許可)数は422件となった一方で、廃業数が632件となったことで、総施設数は3,783軒となり前年から減少に転じた。
スマートフォンの位置情報をもとに集計した3月の国内主要地点における日本人の滞在人口増減率を見ると、他都市はほとんどの期間で第1回緊急事態宣言発出時点(2020年4月7日)の人出を下回り、横這いの状況が続いているなかで京都(四条河原町付近)だけが大きく変動している。他都市と比べて京都への観光需要は、自粛要請の有無によって大きく影響を受ける状況にあると考えられる。
市内4百貨店における3月の免税売上額は前年同月比79.8%増となったが、昨年3月はすでに免税売上額が激減していたことから、前々年比では94.2%減と、依然として低水準である。免税件数は前年同月比82.0%減となった。また、京都総合観光案内所の相談者数は前年同月比39.1%減、前々年同月比77.5%減となった。
3月末から京都市内でも新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、「まん延防止等重点措置」(期間:4/12~4/24)が適用され、さらに3度目となる緊急事態宣言(期間:4/25~5/11)が発令されたことで、桜の季節からゴールデンウィークにかけての行楽シーズンが2年連続で非常に厳しい状況になることが予想される。
3月時点での予約状況を基にすると、4月の客室稼働率の予測値は16.0%と、再び減少に転じる見込みである。5月はゴールデンウィーク期間の旅行需要によって23.3%とやや上向く見込みであるものの、今後の情勢次第では大きく落ち込む可能性があり、予断を許さない状況である。
京都市内における日本人および外国人の宿泊状況等をタイムリーに把握できるよう、平成26年(2014年)4月以降、京都市内の主なホテルの協力を得て、国・地域別の調査(「実人数」「延べ人数」「延べ部屋数」)を毎月実施。※全国で唯一の取組(京都市観光協会調べ)。
なお、本調査では、ビジネス、観光を問わず、日本国籍以外のパスポートを有する人すべてを「外国人」として定義している。
※過去の調査結果はこちらからご覧ください。
調査対象期間(2021 年3月1 日~3月31 日)中、対象ホテルが臨時的に休業した場合は、通常営業していた期間のみを対象にして客室稼働率を算出する。
例)100部屋を有するホテルが、以下のように営業をしていた場合
➀ 3月1日~10日期間(10日)は100室のまま通常営業し、利用のあった客室数は200室
➁ 3月11日~20日期間(10日)は客室数を50室に絞って営業し、利用のあった客室数は100室
➂ 3月21日~31日の期間(11日)は休業
販売可能客室数: 100室×10日(➀期間)+ 50室×10日(➁期間) = 1,500室
客室稼働率 :利用のあった客室数300室 ÷ 営業期間中の販売可能客室数1,500室 = 20%
臨時休業日数 | 全日休業 (31日間) |
20日以上 31日未満 |
10日以上~ 20日未満 |
10日未満 | 休業なし |
施設数 | 4
(4.9%) |
0
(0.0%) |
1
(1.2%) |
2
(2.5%) |
74
(91.4%) |
(参考)81ホテルにおける2021年3月(3月1日~3月31日)の臨時休業状況
本資料の数値を引用する場合は、「出典:京都市観光協会データ月報」を明示してください。
ただし、P14のSTRデータについては、STRの書面による許諾を伴わない再出版もしくは二次使用は固く禁じられています。なお、報道・メディア媒体への掲載については、(公社)京都市観光協会(担当:堀江)までお問合せください。
京都市全体の観光動向の把握については、ほぼすべての市内宿泊施設(旅館業法許可施設)を対象とする「京都観光総合調査」(京都市から年1回発表)が基本指標となる。当調査は、インバウンドマーケットの傾向を把握するための、京都市内の主なホテルを対象とするサンプル調査であるため、その他ホテルや旅館、簡易宿所、いわゆる「民泊」等に宿泊した外国人客は含まれておらず、訪日外客数(日本全体)との比較等も参考分析という位置づけとなる。
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